研究課題
本研究ではアーキアの持つ多様で新しい生物機能を分離培養することにより解明することを目的としている。本目的を達成するため、培養が難しい未知アーキアの分離培養を1.新規培養技術の利用 (環境工学分野の排水処理技術を参考にしたリアクター培養法)と、2.環境微生物分野における最先端の微生物機能推定技術 (シングルセルレベルでの解析)を活用しながら進める。本年度 (平成26年度)は、昨年度に行ったシングルセルゲノム解析を引き続き行った。具体的には、未培養アーキアグループであるmarine Benthic Group-Dを含めた未培養アーキア群を標的としたシングルセルゲノム解析を米国Bigelow labratory for Ocean Sciencesにて昨年度に行い、得られたゲノム配列の解析を本年度行った。得られたゲノム配列はBLASTプログラムを用いて公共データベースに登録されている遺伝子やアミノ酸配列に対して相同性検索を行った。その結果、いくつかのアーキア細胞DNAに硫酸還元細菌のDNAが混在してしまっているということが判明した。この原因ははっきりは分からないが、シングルゲノム解析のステップでフローサイトメトリーを利用して1つ1つの細胞に分けるが、この際に2つの細胞が付着し、1つの細胞として認識され回収されたことが原因と考えられた。しかしながら、いくつかの未培養アーキア細胞由来のDNAからは硫黄代謝に関係すると考えられる遺伝子があることが判明した。ゲノム配列解析に加え、アンモニア性窒素除去に関わる未知アーキアの培養を行うために、リアクター培養を行った。昨年度に本アーキアの増殖が確認できなかったことから、リアクター培養の条件を変更し行った。その結果、標的としていたアーキアの培養されていることを16S rRNA遺伝子に基づいた解析により明らかとした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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