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2013 年度 実績報告書

ヒトの鉄イオン輸送システムの作動原理と生体内鉄動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24687015
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

杉本 宏  独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90344043)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードヘム / 金属タンパク質
研究概要

鉄還元酵素Dcytbをはじめとする鉄代謝に関連するタンパク質の立体構造の解析を行い、ヒト小腸における鉄獲得の分子メカニズムを解明することを目指している。Dcytbの精製と結晶化に成功しており、X線回折実験を進めてきたが、構造解析に必要な分解能が得られていない。そこで、昨年度に引き続きDcytb単独およびDcytbとそのモノクローナル抗体フラグメントが結合した状態で結晶化する方法を検討した。精製したDcytbとAnti-Dcytb抗体フラグメントを混合してゲルろ過クロマトグラフィーによって抗体結合能の評価を行った結果、両者が複合体を形成した状態で溶出されたことから、高い親和性があることが確認できた。昨年度とあわせて3種類の抗体について実験を進めてきたが、現在までに抗体との複合体の結晶は確認できていない。今後抗体のFabのフラグメント化の条件について一層検討していく必要がある。また、界面活性剤の種類を検討していくことも合わせて行った。Dcytbの機能解析に関しては、鉄還元酵素としての活性測定方法の開発をおこなった。これは、膜を介した電子移動という機能を評価するために不可欠な測定系である。ストップドフロー法を用いて、アスコルビン酸によるDcytb還元反応や鉄イオンによるDcytb再酸化反応の速度測定をおこなった。また、脂質リポソームに再構成した試料で鉄イオン錯体の発色により還元活性の検出を行う最適な方法について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高分解能結晶化に向けたモノクローナル抗体を調製するためのマウス腹水化作業が順調に進展し、抗体タンパク質精製を行う事が可能となった。また、膜タンパク質であるDcytbの精製方法がほぼ確立した。

今後の研究の推進方策

鉄輸送に関与するタンパク質の調製と結晶化を引き続き行う。放射光をもちいて得られた結晶の回折データ収集とデータ処理などの構造解析を進める。また、変異体のデザインと調製を行って機能解析を進める。これらのタンパク質の発現・精製・結晶化作業やモノクローナル抗体の調製のための作業や物品の購入に充てる計画である。

次年度の研究費の使用計画

モノクローナル抗体のスクリーニングは順調に進んでいたが、抗体フラグメント化およびその精製作業が当初の予定よりも遅延している状況であるため。
抗体フラグメント化条件の検討および精製作業を行った上で、抗体フラグメントとDcytb複合体の結晶化実験を次年度以降に行うため、これらの試料調製実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Transmembrane Electron Transfere by Human Duodenal cytochrome b2013

    • 著者名/発表者名
      冨樫ひろ美, 杉本 宏, Grant Mauk, 城 宜嗣
    • 学会等名
      第86回生化学大会
    • 発表場所
      横浜、パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130911-20130911

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公開日: 2015-05-28  

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