• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

膜タンパク質の膜組み込み過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24687016
研究機関東京大学

研究代表者

塚崎 智也  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80436716)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードタンパク質 / 膜タンパク質 / 膜組込み / 膜透過 / 機能発現 / Sec / 機能解析 / 構造生物学
研究概要

細胞におけるタンパク質の膜組み込み過程は,すべての生物に共通した必須の機構である。本研究では膜タンパク質の機能発現システムを詳細に理解する為に,真正細菌のタンパク質の膜組み込みに関わる膜タンパク質YidC(内膜への組込みに関与),BamA(外膜への膜組み込みに関与)の立体構造を決定し,その構造に基づく機能解析を進める。膜組み込みに関わる各構成因子の立体構造情報は得られつつあるが,YidC,Ba飴のX線結晶構造解析の例は(ホモログも含め)未だない。申請者らはこれまでにThermus thermophilus由来のタンパク質膜透過膜組込みに関わるSec因子(SecA,SecDF,SecYE)の構造解析を達成し,Secトランスロコンを介した膜透過機構について新たなモデルを提唱した。この結晶構造解析と機能解析の経験と技術をYidC,BamAに応用させ,タンパク質の膜組み込みの分子メカニズムの可視化を目指す。本年度は,YidC,BamAのX線結晶構造解析を目指し,YidC,BamAの結晶化を進めた。YidC,BamAともに結晶化に成功した。
YidCについては,大型放射光施設SPrigr8におけるX線回折実験の結果,約2.5Å分解能のデータセットが得られた。空間群はP21に属し,格子長はa,b,c=44Å,60Å,58Åであった。今後,YidCの構造決定に向け,重原子を用いた多波長異常分散法により位相の決定を進める予定である。BamAについては,今後,さらに良質の結晶を得る為の結晶化条件の最適化を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り,YidC,BamAのX線結晶構造解析を目指した結晶化を進めた。順調に研究は進展している。

今後の研究の推進方策

計画は,おおむね順調に推移しているため,申請時の研究計画に変更なく研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

本研究において,YidC,BamAの結晶化が当初の計画よりも順調に研究できたため,当該助成金が生じた。YidCについては,構造解析の目処がついたため,今後機能解析を進める準備を整える。一方,BamAについては結晶化に成功したため,経費がかかる網羅的な解析は少し押控えていた。しかしながら,構造解析可能な分解能をえるためには網羅的に解析する必要性がでてきた。当該助成金を来年度の網羅的解析に使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of the channelrhodopsin light-gated cation channel2012

    • 著者名/発表者名
      Kato HE, Zhang F, Yizhar O, Ramakrishnan C, Nishizawa T, Hirata K, Ito J, Aita Y, Tsukazaki T, Hayashi S, Hegemann P, Maturana AD, Ishitani R, Deisseroth K, and Nureki O
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 482 ページ: 369-374

    • DOI

      10.1038/nature10870

  • [学会発表] LCP crystallization and preliminary X-ray crystallographic analysis of SecYEG translocon2013

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Takemoto
    • 学会等名
      Nagoya Symposium - Frontiers in Structural Physiology
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20130122-20130124
  • [学会発表] LCP法によるタンパク質膜透過装置SecYEGの結晶化2012

    • 著者名/発表者名
      塚崎智也
    • 学会等名
      蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120620-20120622
  • [図書] 化学と生物(解説細菌のタンパク質分泌を促進する膜タンパク質SecDFの構造と機能)2013

    • 著者名/発表者名
      森博幸
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      国際文献社
  • [備考] 奈良先端科学技術大学大学院バイオサイエンス研究科膜分子複合機能学

    • URL

      http://bsw3.naist.jp/courses/courses309.html

  • [備考] さきがけライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術研究者紹介

    • URL

      http://www.struct-1ifesci.jst.go.jp/researchers/10403tsukazaki/index.html

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi