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2015 年度 実績報告書

高次生物における1細胞内全遺伝子発現の網羅的1分子計測

研究課題

研究課題/領域番号 24687022
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

谷口 雄一  国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (90556276)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード1分子・1細胞生物学 / 生物物理学 / システム生物学 / 超高感度顕微鏡技術 / 微細加工技術 / 生命反応の物理
研究実績の概要

本年度においては、高次生物における遺伝子発現の確率的ダイナミクスのモデル化を目指して、1分子レベルでのタンパク質発現の挙動をリアルタイムで捉える測定システムの開発を行った。前年までの研究により、細胞内で発現しているタンパク質を1分子レベルでイメージングするライトシート型蛍光顕微鏡システムの開発、並びにマルチウェルを用いて膨大な数の遺伝子を一挙に解析できるハイスループットシステムの導入を行ってきた。本システムを用いてリアルタイム計測を行うには、一定時間ごとに各ウェルを巡回してタイムラプス観測を行う必要があるが、常に観察試料とライトシート光、観察対物レンズの間には熱ドリフトが生じており、定期的にこれらの位置関係の自動修正を行う必要があることが判明した。そこで代表者はライトシート光を構成する対物レンズと観察対物レンズの座標を3次元的に制御する機構を導入し、さらにこれらの位置ずれを対物レンズの座標にフィードバックさせる機構を導入した。また、培養条件下での細胞の測定を行うための温度チャンバーを対物レンズ系と干渉しないようにさらに導入することで、熱ドリフトの影響を最小化し、長時間の測定を安定して行うことができるようになった。
代表者はさらに、開発したシステムを用いて出芽酵母の十数個の遺伝子におけるタンパク質発現の動態を追跡した。結果、多くの遺伝子において複数個のタンパク質の発現が一挙に起こるバースト現象が観察され、各細胞におけるタンパク質の発現量はヘテロになっていることが確認された。これに対し、mRNAの発現量は各細胞で一様になっていることが別実験で観察されたことから、翻訳過程のゆらぎが全体のヘテロ性をコントロールしていることが分かってきた。現在バースト発現の法則性とメカニズムについてさらに解析を進めており、結果から真核細胞特有のノイズ制御機構を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)

  • [国際共同研究] デラウェア大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      デラウェア大学
  • [雑誌論文] Genome-wide analysis on protein and mRNA copy numbers in single Escherichia coli cells with single-molecule sensitivity2015

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, Y.
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 1346 ページ: 55-67

    • DOI

      10.1007/978-1-4939-2987-0_5

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 1分子蛍光顕微鏡による1細胞内遺伝子発現の可視化2015

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 雑誌名

      顕微鏡

      巻: 50 ページ: 81-85

    • 査読あり
  • [学会発表] 1細胞内オミックス動態のモデル化2016

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 学会等名
      生命動態の分子メカニズムと数理シンポジウム
    • 発表場所
      シェラトンホテル広島(広島市)
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 1細胞内多階層オミックス動態の連関性2016

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 学会等名
      大阪大学・生命機能数理モデル検討会
    • 発表場所
      大阪大学(吹田市)
    • 年月日
      2016-03-09 – 2016-03-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 単一細胞における1分子レベルでのmRNA・タンパク質発現ゆらぎの動態観察2015

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2015-12-02 – 2015-12-02
    • 招待講演
  • [学会発表] 1細胞内多階層オミックス動態の連関性の解明に向けて2015

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 学会等名
      RCAST計測・計算・生命科学ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(目黒区)
    • 年月日
      2015-08-07 – 2015-08-07
    • 招待講演
  • [学会発表] ライトシート顕微鏡による1分子遺伝子発現イメージング2015

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一
    • 学会等名
      QBiC-CDB Quantitative Developmental Biology Workshop
    • 発表場所
      理化学研究所(吹田市)
    • 年月日
      2015-04-14 – 2015-04-14
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-01-27  

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