研究課題/領域番号 |
24687029
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹本 龍也 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (30443899)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Wntシグナル / 体軸幹細胞 |
研究概要 |
脊椎動物の体幹部は、発生の進行と共に、吻側から尾側へと段階的に形成される。この体幹部を構築する組織のうち、神経管と沿軸中胚葉の細胞は、共通前駆体である体軸幹細胞から産み出される。このことは、細胞系譜の解析や、私たちが行ったSox2遺伝子の転写制御の解析から明らかとなったが、体軸幹細胞を維持する機構、また、それぞれの分化細胞を産出する機構は明らかになっていない。 幹細胞状態の維持や、分化は、転写因子群によって異なる遺伝子セットの発現が引き起こされることで成立する。本研究では、体軸幹細胞を制御する転写制御ネットワークを解明すると共に、どういった遺伝子制御ネットワークの変化が体軸幹細胞を分化へと導くのかを明らかにする。 本研究は、体軸幹細胞が機能している妊娠8日目~12日目のマウス胚を研究の中心とするが、遺伝子制御ネットワークの解析を容易に行える培養系も活用する。今年度は、体軸幹細胞を胚外で培養して、維持する方法の検討をおこなった。Epiblastの状態を反映したEpiblast stem cellsを様々なタンパク存在下で培養して、体軸幹細胞へと遷移させる方法を検討した。いくつかの培養条件下での遺伝子発現と、胚における遺伝子発現を比較した。特にWntシグナルの活性化によって引き起こされる遺伝子発現パターンが、体軸幹細胞が存在する原条周辺領域の遺伝子発現パターンとよく似ていることが明らかとなった。 また、体軸幹細胞を制御していると考えられるWntシグナルのレポーターマウスの作製を行った。作製されたレポーターマウスを用いてWntシグナルの活性化領域を解析した。Wntシグナルの活性化を引き起こすWntリガンドの発現箇所近傍で、レポーター活性が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Wntレポーターマウスの作製が、当初の計画より遅れた。このためマウス胚を用いたライブイメージングを行う時期が計画より遅くなった。しかしながら、マウス作製と平行して、ライブイメージングの準備を行っていたため、全体として少し遅れている程度である。
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今後の研究の推進方策 |
全体の研究の進捗が遅れてはいるが、研究計画自体には影響ない。
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次年度の研究費の使用計画 |
Wntレポーターマウスの作製が、当初の計画より遅れた。このためマウス胚を用いたライブイメージングを行う時期が計画より遅くなった。しかしながら、マウス作製と平行して、ライブイメージングの準備を行っていたため、全体として少し遅れている程度である。 作製が完了したレポーターマウスを用いてライブイメージングを行う。このための物品費1,400千円、共同研究先への旅費400千円、人件費500千円を計上した。
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