言語の音声コミュニケーションである「話しことば」の生物学的基盤の進化プロセスを解明するため、サル類での音声生成運動能力を検証した。マカクザルとマーモセットを対象にヘリウム音声実験を実施し、サル類にもヒトと同様の音声フィルター理論があり、発声と構音が生理学的に独立していることを示した。また、マガクザルでは、音声の発声に関するオペラント条件付けに成功し、その訓練過程の分析から、彼らは、マニュアル操作に比して音声の随意的制御が不完全であることを実証した。さらに、ウィーン大学と共同で、マカクザルでは音声の種類に対応した声帯振動モードの使い分けがあることを示した。
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