本研究ではヒュウガナツ‘西内小夏’の非還元花粉形成に関する知見を獲得し,また非還元花粉を利用した救助培養効率の向上を目的に実験を行った.まず‘西内小夏’より同一染色体上に座乗すると考えられ,かつヘテロ接合となっている6つのSSRマーカーをスクリーニングし,非還元花粉を直接ジェノタイピングすることによって,ヘテロ接合性の遺伝様式を調査した.その結果,‘西内小夏’非還元花粉は第一分裂復旧(FDR)によって形成されている可能性が高いと考えられた.また,救助培養効率の向上のためには,ジベレリンは初期培養時のみ添加すること,サンプルの採取は40-50mmの果実を採取すればよいことなどが明らかとなった.
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