研究課題
植物は、パターン認識受容体(pattern recognition receptor: PRR)を用い、保存性の高い細胞成分である微生物分子パターン(microbe-associated molecular pattern: MAMP)を認識し、広範の病原体に対する抵抗性を発揮する。最近の研究成果は、PRRを介した抵抗性反応の誘導には、植物種間を超えて保存されたシグナル伝達システムが利用されていることを示した。その保存システムの理解は、植物種を選ばず病害抵抗性を増強させる技術の開発に繋がると期待される。本研究課題は、最新のリン酸化プロテオミクス技術の確立により初めて同定できた、異なるPRRの下流で共通して働く因子(conserved MAMP- signaling regulators: CMR)の解析を目的とする。1)選抜CMRの機能解析変異体を用いた解析により、CMR1とCMR32が細菌トマト斑葉病菌Pseudomonas syringae pv. tomato DC3000株に対する抵抗性を正に制御する因子であることが分かった。CMR1は機能未知の因子で、CMR32はキナーゼである。CMR1は、病原体感染時における細胞死の制御にも深く関わっていることが分かった。2)選抜CMRと相互作用する因子の同定CMR1と相互作用する因子を多数同定することに成功した。そのうちの1つとは、in vitroで相互作用することを確認し、細胞内局在が一致することが分かった。CMR32はMAPKKKファミリーに属することより、MAPKKとの相互作用を調べたところ、MAPKKの1つと特異的に相互作用することが分かった。
1: 当初の計画以上に進展している
CMRの相互作用因子の同定に成功し、平成25年度以降に予定していた研究計画の大部分を終わらせることができた。
順調に研究が進んでいるので、研究実施計画に沿って当初の計画通り研究を遂行する。当初の計画以上に速やかに研究が進展したため、CMR相互作用因子の詳細な機能解析も進める。
当初の計画以上に速やかに研究が進展したため、物品費を節約することが出来た。未使用分は、次年度以降の物品費および人件費に使用する予定である。
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Nature Communications
巻: - ページ: -
10.1038/ncomms4504
Current Biology
巻: 23(20) ページ: 1969-1978
10.1016/j.cub.2013.08.006
http://proteomics.riken.jp/