研究課題
植物は、パターン認識受容体(pattern recognition receptor: PRR)を用い、保存性の高い細胞成分である微生物分子パターン(microbe-associated molecular pattern: MAMP)を認識し、広範の病原体に対する抵抗性を発揮する。最近の研究成果は、PRRを介した抵抗性反応の誘導には、植物種間を超えて保存されたシグナル伝達システムが利用されていることを示した。その保存システムの理解は、植物種を選ばず病害抵抗性を増強させる技術の開発に繋がると期待される。本研究課題は、最新のリン酸化プロテオミクス技術の確立により初めて同定できた、異なるPRRの下流で共通して働く因子(conserved MAMP- signaling regulators: CMR)の解析を目的とする。1)選抜CMRの機能解析CMR1は病原体感染時における細胞死を負に制御することが分かった。これまでに細胞死の制御にはサリチル酸やROSが関与することが知られているが、CMR1を介した細胞死の制御はサリチル酸やROSに依存しないことが分かった。CMR1のリン酸化が細胞死の制御に重要であることが分かった。2)選抜CMRと相互作用する因子の同定CMR1と相互作用する因子MIP1も、細胞死の制御に関わっていることが分かった。CMR1とMIP1が相互作用する領域、そして相互作用に必要なアミノ酸の同定に成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画に含まれていなかった、CMR相互作用因子の機能解析も進めることができた。
順調に研究が進んでいるので、研究実施計画に沿って当初の計画通り研究を遂行する。
当初の計画以上に速やかに研究が進展したため、物品費を節約することが出来た。
未使用分は、次年度以降の物品費および人件費に使用する予定である。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (29件) (うち招待講演 9件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Plant Physiology
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http://proteomics.riken.jp/