木材乾燥割れの発生メカニズムを解明するため、乾燥に伴う木材表面の細胞を経時観察可能なその場観察装置を開発し、温度50℃、相対湿度5%以下の環境で割れ発生形態の一部始終を観察した。コナラ心材および辺材の板目面を観察した結果、木材中に十分な含水率差が生じず、板目面には割れが発生しなかった。心材、移行材、辺材を含むスギの木口面を観察したところ、乾燥初期に心材にマイクロクラックが発生し、乾燥時間の経過とともに発生部位は移行材、辺材へと移動し、出現する時間に差が生じることが分かった。また、イオン液体を使用すると10%程度の低濃度でも割れや収縮を抑制できることがわかった。
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