顆粒膜細胞/ライディッヒ細胞特異的Nrg1欠損マウスの解析を行った.雌では,NRG1は卵丘細胞におけるCa2+流入を抑制することで,遺伝子発現と細胞間結合様式を制御していることを見出した.この両者により,卵の成熟時間が排卵されるタイミングに同調され,排卵直後が最適受精タイミングとなっていることが初めて明らかとなった.雄においては,乳児期におけるNRG1がライディッヒ細胞の増殖に必須であり,これが成獣におけるアンドロゲン産生能を決定し,充分なアンドロゲン産生が精子形成のみでなく生殖行動をも担保することが明らかとなった. 以上の結果から,NRG1が雌雄成獣の生殖能力決定因子であることが示された.
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