研究実績の概要 |
平成24年度および平成25年度、平成26年度の研究からガドリニウムイオン錯体を基礎とした、低酸素環境下において選択的に大きなMRIシグナルの上昇を示すMRI造影剤の開発(Bioorg. Med. Chem. Lett. 22, 2798-2802 (2012))および、動脈硬化巣をMRIと蛍光の両方によって検出するMRI-蛍光デュアルイメージングプローブの開発(Org. Biomol. Chem. 12, 8611-8618 (2014))に成功した。これら開発したプローブは、機能性ランタノイド金属イオン錯体の開発の研究分野を大きく進展させる成果であると考えている。本平成27年度においては、これまでに得られたプローブ開発の知見を活かすことで、バイオイメージング研究の更なる進展を目指し、動物個体内での低酸素環境を検出する蛍光プローブの開発・応用および、低酸素環境と同様に生体内の還元的なストレスである硫化水素などの活性イオウ分子を検出する蛍光プローブの開発・応用を行った。低酸素プローブとしては、これまでに開発に成功しているプローブ(Angew. Chem. Int. Ed. 52, 13028-13032 (2013))の更なる改良および応用を、硫化水素プローブとしても、これまでに開発に成功しているプローブ(J. Am. Chem. Soc. 133, 18003-18005 (2011))の更なる改良および応用を行い、これらプローブの開発・応用研究を更に進展させることに成功した。
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