本研究において、ランタノイド金属イオン錯体の持つ優れた化学的特性を生命科学研究に応用することを目的に、低酸素環境や動脈硬化といった病態の可視化を目指した(1) MRIプローブおよび(2) 蛍光プローブといった2つのモダリティに対応した可視化プローブを論理的分子設計によって開発することを行った。これまでに、低酸素環境を認識してMRIシグナルが変化する機能性MRI造影剤や動脈硬化巣に集積・可視化するMRIプローブの開発、さらには、各種蛍光プローブなどの開発にも成功している。生体内における異常な低酸素状態はがんをはじめとする様々な疾患に関与し、一方、動脈硬化の早期発見は極めて重要である。
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