研究課題
核酸医薬品とは一般に、核酸が直鎖状に結合したオリゴ核酸を薬効本体とし、蛋白質発現を介さず直接生体に作用するもので、化学合成により製造される医薬品を指す。この中でsiRNAやアンチセンスに代表される「mRNAに作用する核酸医薬品」は、これまで“Undruggable”とされてきた分子を標的にすることが可能であることから、治療法のない難治性疾患や希少疾患に対する革新的次世代医薬品として注目されている。細胞の内側で機能する核酸医薬品は細胞膜を通過する必要があるが、核酸医薬品はポリアニオン構造を有するため細胞膜を透過しにくいことが問題となっている。中でも二本鎖であるsiRNAは一本鎖のアンチセンスと比べ負電荷、分子量共に大きいことから、細胞内への取り込みにはキャリアが必要となる。近年では、糖鎖や脂質などを修飾したキャリアを必要としないsiRNAが開発されつつあるが、この場合もより効率のよい細胞内送達が求められている。現在、核酸医薬品の有効性を高めるために、オリゴ核酸に膜との親和性を高める化学修飾や、オリゴ核酸を送達するキャリアを開発する試みが行われているが、「受け手側の細胞において、オリゴ核酸がどのように細胞膜を通過し、細胞の内側に取り込まれるか」といった分子機構や、取り込まれてから細胞内動態の理解はほとんど進んでいない。そこで本研究では、この分子機構を明らかにするために、マルチイメージアナライザーを用いたスクリーニング系の構築し、siRNAが細胞に取り込まれてから標的mRNAを分解するまでに関わる因子の同定を行った。その結果、遺伝子Kと名付けた分子がこの経路に関与することを見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 10件)
Nucleic Acids Res.
巻: 42 ページ: 8174-8187
10.1093/nar/gku512
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス
巻: 45 ページ: 288-298
PHARMSTAGE
巻: 14 ページ: 1-3
国立医薬品食品衛生研究所報告
巻: 132 ページ: 13-15