中高年を対象に、インターバル速歩とITネットワークシステムからなる「遠隔型個別運動処方システム」を開発し、22か月間の定着率を検討した。その結果、バゾプレッシンV1a受容体遺伝子のある多型を有するヒトは、運動習慣の定着率が著しく低かった。そこで、そのメカニズムを検討したところ、V1a受容体遺伝子欠損マウス、およびV1a受容体阻害剤を延髄孤束核に投与した正常マウスでは、大脳皮質活動上昇に伴う運動開始時の血圧上昇が起きず、自発運動が著しく阻害されていた。以上、V1a受容体は運動開始時の血圧を上昇させ、運動を開始しやすいように働くが、その働きが弱いと運動の開始が困難で不精になることが示唆された。
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