• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

新規転写伸長制御因子MED26の標的遺伝子解明と急性白血病への関与についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 24689016
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 秀尚  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30423544)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード転写 / MLL / 転写伸長因子 / Pol II / メディエーター
研究概要

近年、約30%のヒト遺伝子でRNAポリメラーゼII(Pol II)が転写開始直後に一時停止していることがわかり、遺伝子発現において転写伸長の制御が非常に重要な役割を果たしていることがわかってきた。Pol IIの一時停止が解除されPol IIが新生RNAの合成を再開するためには転写伸長因子が遺伝子上にリクルートされることが必要である。代表者はこれまでにメディエーター複合体のサブユニットMed26が転写伸長因子複合体“SEC”を遺伝子上にリクルートすることを明らかにした【Takahashi H, et al. Cell 2011】。本研究では、Med26がSECをリクルートする標的遺伝子を明らかにするため、Med26とSECのChIPシークエンス解析を行っている。さらに、Med26に結合するもう一つの転写伸長因子複合体“LEC”も同定し、Med26がLECをsmall nuclear RNA遺伝子領域へとリクルートし、それらの発現を制御することを明らかとした。また、SECのサブユニットのELL、AF4、AF9やENLの遺伝子はMLL遺伝子と混合型急性白血病で染色体転座がみられる。混合型急性白血病においては、転座の結果生じたMLL融合タンパク質がSECをHox遺伝子座に異常にリクルートし、その遺伝子の発現を異常に亢進させることから、メディエーター複合体もPol IIと共に(Med26とSECとの結合を介して)Hox遺伝子領域に異常にリクルートされている可能性が考えられた。現在、REH細胞と混合型急性白血病細胞(HB1119細胞:MLL-ENLを発現、MV4-11細胞:MLL-AF4を発現、THP-1細胞:MLL-AF9を発現)を用いてChIPシークエンス解析を行い、Med26を含むメディエーター転写複合体がPol IIと共にどのような遺伝子領域にリクルートされているのかに関して、明らかにしようとしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生化学的解析や細胞生物学的解析は順調に進行している。次世代シークエンサーを用いたChIPシークエンス解析は、サンプル精製に多くの実験条件の設定が必要であることや、実際のシークエンス解読を外部の共同研究機関で行っているなどの理由から、通常の実験よりも多くの時間を要している。

今後の研究の推進方策

混合型急性白血病細胞などの血球系細胞において、Med26の発現を抑制するために、今後はレンチウイルスを用いたノックダウン法を行う予定である。また、混合型急性白血病細胞において、Med26をノックダウンした時に、どのような遺伝子の発現が減少するのかを網羅的に明らかにするために、RNAシークエンス解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The TRIM-FLMN protein TRIM45 directly interacts with RACK1 and negatively regulates PKC-mediated signaling pathway.2014

    • 著者名/発表者名
      Sato T., Takahashi H., Hatakeyama S., Iguchi A. and Ariga T
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: In press ページ: In press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of anti-Sez6l2 antibody in a patient with cerebellar ataxia and retinopathy.2014

    • 著者名/発表者名
      Yaguchi H, Yabe I, Takahashi H, Okumura F, Takeuchi A, Horiuchi K, Kano T, Kanda A, Saito W, Matsumoto M, Nakayama KI, Hatakeyama S, Sasaki H
    • 雑誌名

      Journal of Neurology

      巻: 261(1) ページ: 224-226

    • DOI

      10.1007/s00415-013-7134-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Med26はLittle elongation complexをリクルートすることでsmall nuclear RNA遺伝子の発現を制御する2013

    • 著者名/発表者名
      高橋秀尚, 瀧川一学, Delnur Anwar, 柴田美音, 佐藤チエリ, 佐藤滋生, Ranjan Amol, Chris W. Seidel, 築山忠維, 渡部昌, 林正康, 大川恭行, Joan W. Conaway, Ronald C. Conaway, 畠山鎮次
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートピアアイランド(神戸市)
    • 年月日
      20131203-20131205
  • [学会発表] Human Mediator subunit Med26 regulates the transcription of small nuclear RNA genes through the recruitment of little elongation complex.2013

    • 著者名/発表者名
      Hidehisa Takahashi, Chieri Tomomori-Sato, Shigeo Sato, Amol Ranjan, Masayasu Hayashi, Yasuyuki Ohkawa, Joan W. Conaway, Ronald C. Conaway, Shigetsugu Hatakeyama
    • 学会等名
      Mechanism of eukaryotic transcription, Cold spring harbor meeting
    • 発表場所
      Cold spring harbor laboratory (USA)
    • 年月日
      20130827-20130830
  • [備考] 新規転写伸長制御因子Med26の機能解析

    • URL

      http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~d20505/takahashi/index.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi