研究課題
本研究課題では、老化関連分子であるサーチュインのO-アセチルADPリボース(OAADPR)合成酵素としての役割に注目し、OAADPRの生理活性を解明するとともに、OAADPR代謝と老化関連疾患とのつながりについて、網羅的メタボロミクスや遺伝子改変マウスを用いて、分子レベルから個体レベルまで包括的に解析することを目標とする。そのため、平成24年度から27年度までの研究期間内に、①OAADPR結合タンパク質の探索、およびOAADPRの生理活性の解明、②網羅的メタボローム解析を用いたOAADPRの代謝システム全体に対する影響、③遺伝子改変マウスを用いた、OAADPRの生体内における役割の3つについて解明することで、OAADPR代謝系をターゲットとした、将来的な疾患治療法開発に結びつけていくことを目的とした。今年度は①OAADPRの生理活性解明のため、OAADPR分解酵素の基礎的な解析を行い、組織分布、細胞内局在による機能などを明らかにした。②網羅的メタボローム解析については、条件検討を行い、LC-MS/MSによる測定系を構築した。また、OAADPR分解酵素Nudt5のノックダウン細胞を作成し、メタボローム解析を行ったところ、NAD関連の代謝物に変化が見られた。③遺伝子改変マウスについては引き続き作成中である。
2: おおむね順調に進展している
網羅的メタボローム解析については、条件検討を行い、LC-MS/MSによる測定系を構築した。また、OAADPR分解酵素Nudt5のノックダウン細胞を作成し、メタボローム解析が進行中で、その意義について解析を行っている。
本研究課題では、老化関連分子であるSirtuinのOAADPR合成酵素としての役割に注目し、OAADPRの生理活性を解明するとともに、OAADPR代謝と老化関連疾患とのつながりについて、網羅的メタボロミクスや遺伝子改変マウスを用いて、分子レベルから個体レベルまで包括的に解析することを目標とする。OAADPRの生体内での役割を明らかにするため、OAADPR分解酵素のノックアウトマウスを作製を進める。さらに、Nudt5ノックダウン細胞を材料とした、網羅的メタボローム解析から得られた結果を基に、OOADPRの代謝システム全体での役割を明らかにする。
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J Biol Chem
巻: 289 (21) ページ: 14796-14811
Diabetologia
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10.1007/s00125-013-3140-5