研究課題/領域番号 |
24689023
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 義裕 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (20415269)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 制御性B細胞 / IL-10 / 自己免疫性炎症 |
研究概要 |
抗体産生や抗原提示によるT細胞の活性化がB細胞の中心的役割だと考えられているが、それだけでなく、自己免疫性炎症反応を抑制するB細胞(制御性B細胞)の存在が明らかになり、非常に注目されている。特に、抗炎症性サイトカインIL-10を産生するB細胞は多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性大腸炎、1型糖尿病といった自己免疫疾患モデルマウスを用いた研究から、これら炎症反応を抑制することが明らかになっている。このように、抑制機能を有するB細胞の研究は、その新規性に加え、基礎免疫学および臨床医学的な重要性は明らかであり、国内外を問わず精力的に研究が行われている。 しかし、「制御性B細胞の実体および抑制機序」という根本的課題は未解明である。そこで、本研究課題では、多発性硬化症の脳脊髄炎マウスモデルEAEを用いて、IL-10産生制御性B細胞の性状および抑制メカニズムの解明とIL-10以外の新規抑制機序の同定を行い、制御性B細胞の包括的理解を目指す。当該年度は、IL-10レポーターマウスを用いることにより、今まで不明であったin vivoでのIL.10産生B細胞としてプラズマブラストの同定に成功している。また、IL。10産生制御性B細胞の分化に必須と考えられる分子を同定した。IL-10以外の因子としてはCTLA4を候補の一つとして解析を進めており、実際にB細胞でのCTLA4の発現と、樹状細胞に対する抑制機能の存在を明らかに出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大きな問題もなく、当初の計画通りに研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
B細胞におけるIL-10産生細胞の生体内分布とIL-IO産生メカニズムを明らかにする。B細胞特異的CTLA4ノックアウトマウスを樹立し、生体での機能的重要性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
トランスジェニックマウスの作成が次年度になったので、当該助成金が生じた。よって、マウス作成および維持費用に当てる予定である。
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