研究課題/領域番号 |
24689024
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 休職者 / メンタルヘルス / 労働者 / うつ病 / 就業規則 / 病気休暇制度 / 病気休職 |
研究概要 |
近年、第三次産業の発達に伴う業務の質的変化、成果主義の導入そして経済的要因の影響から、労働者のメンタルへルスを取り巻く状況は悪化し、うつ病を中心とした「心の病気」によって「1ヵ月以上休業している従業員がいる」と回答している企業は77.2%、また、再発して繰り返し休職している従業員がいる企業は、37.2%にものぼっている。メンタルヘルス対策に取り組んでいない事業場の割合は5.0%であり、企業は何らかの取り組みを行っているが、その効果が出ていると回答した事業場は48.6%に留まっており、また53.4%がメンタルヘルス施策の効果がはっきりしないと回答しており、事業場におけるメンタルヘルス対策はいまだ十分になされている状況とはいえない。先行研究からは休業期間の長さは、就業規則における休業補償期間などが関連する可能性が指摘されたが、全国規模の調査はまだ実施がない。このような対応は事業場によって様々に異なる就業規則や制度に沿って行うこととなるが、どのような規則および制度が復帰する労働者と受け入れる職場の双方にとって最適であるかといった学術的な検討はいまだ不十分な状況にあり、平成25年度にアンケートを全国の上場企業の人事労務担当者に配布して調査を行った。 就業規則とメンタルヘルス不調者に関するアンケートを郵送にて行い、その結果、多くの企業で休職者がいる実態が把握された。さらに、回答のあった企業の就業規則の実態を把握したうえで、就業規則と休職等との関連を統計学的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた全国調査を順調に実施出来ているため。ただし、インタビュー調査の実施困難が予想されたため、一部計画を変更しているため、概ね順調に進展していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
その後インタビュー調査を検討していたが、同意が得にくく実施困難であることが予想されたため、人事労務からの立場からの検討に加えて、労働者の立場からの直接の調査を行うことに変更を検討した。 そこで、平成26年度に、20歳から59歳の労働を経験したことのある者を対象にインターネット調査会社を利用し、就業規則とメンタルヘルス不調の意識に関するアンケートをweb上にて行い、就業規則の知識や休業や復職に関する意識などについて調査する方向を検討し、アンケート内容の検討を行っている。
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次年度の研究費の使用計画 |
インタビュー調査の実施困難が予想され、計画を変更したため インタビュー調査に代えて、Web調査を予定している。
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