研究課題
単細胞真核生物である紅藻の一種が、ヒトの多剤排出トランスポーターP-gpと非常によく似た蛋白質をもつことを見つけ、その蛋白質を結晶構造解析することによって、多剤排出トランスポーターの3次元構造をこれまでに報告された中で世界最高の解像度(2.4オングストローム分解能)で明らかにすることに成功した。構造を詳細に解析することによって、P-gpがくすりを細胞膜中から蛋白質内に取り込む入口、くすりの認識に関わる可能性のあるアミノ酸残基、P-gpがどのように動いてくすりを細胞外へ排出するのか、構造に基づいて初めて明らかにした(Kodan, A et al. PNAS, 2014)。また、最近、立体構造に基づいた部位特異的変異導入などの工夫によって、CmABCB1の外向型結晶を得ることに成功した。この結晶から2.0オングストロームより高い分解能の回折データを収集できており、現在、外向型構造モデルの精密化を進めているところである。今後、CmABCB1の外向型構造と内向型構造と比較することで、さらに詳細な分子メカニズムを解明できるものと期待している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
がん化学療法の障害となる多剤排出トランスポーターの結晶構造 -体内動態や脳内移行に優れたくすりの開発にも期待-
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Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 111 ページ: 4049,4054
10.1073/pnas.1321562111
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/140220_1.htm