研究課題
がん幹細胞はがんの治療抵抗性や再発など,がんの生命予後を規定する重要な概念であるが,その存在は未だ論争中である.佐藤は,細胞株を用いた研究や単一細胞の異種移植に依存した従来の研究から脱却し,患者由来の大腸がんの分子遺伝学的な細胞系譜解析を行い,より臨床に則したがん幹細胞の同定を行う研究を考案した.細胞系譜解析のため,「平成25年度 研究実施計画」では,ヒト大腸癌幹細胞培養を利用し,遺伝子相同組換による遺伝子操作システムを確立すると記載した.佐藤は,安定的な患者由来大腸がん培養を可能にするオルガノイド培養を確立した.また,ゲノム編集技術であるTALE nuclease (TALEN)を用い標的遺伝子の切断を確認した.申請時には確立されていなかった新しいゲノム編集技術,CRISPRが開発され,より効率の良い遺伝子改変が可能になった.本技術を利用して,人工的な遺伝子変異導入に成功した.また,ヒト大腸がんの遺伝子ノックインレポーター技術の開発に成功した.LGR5に代表される幹細胞マーカーはヒトではサイレンシングにより発現が消失することがわかった.このことは,他の研究者によっても報告されており,サイレンシングを回避できる幹細胞マーカーの探索を行っている.本技術による遺伝子発現の可視化を利用しは幹細胞や機能分子マーカーを標的とした治療開発や基礎研究技術基盤としてさらに研究を進めていきたい.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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