研究課題
動脈硬化病変に生じる不安定プラークは脳・心筋梗塞の原因となるため、早期に検出し治療を行うことが重要である。これまでに、様々な生体分子をターゲットとした不安定プラーク分子イメージング剤が開発されているが、プラークの早期特異的検出・治療効果評価に着目した比較検討はなされていない。そこで本研究では、不安定プラークの臨床診断・薬物治療効果評価を合目的的に施行するためのシステムの構築を目指している。平成27年度は前年度までに得られたPETデータについて、詳細な解析を行った。すなわち、胸椎の番号を基準とし[18F]FDG, [18F]FMISO, [18F]NaF, [11C]PK11195, [11C]CholineのPET画像について個体内での分布の違いを検討した。この結果、[11C]PK11195、[18F]NaF、[11C]Cholineでは集積量の変化がほぼ一致しており、No.2-4にかけての集積が多かった。[18F]FDGではNo.5以降についても集積があり、胸部大動脈全体に分布していることが判った。[18F]FMISOではほとんど集積が認められなかった。さらに病理組織とも比較したところ、マクロファージの集簇がやや少ない部位であり[18F]FDGの集積が少ない部位への[11C]Cholineの集積が認められた。なお、[18F]NaFに関してはspottyな集積が多くみとめられ、さらにCTでの石灰化画像とは一致しない部位への集積も見られた。また、Ca染色の結果とも必ずしも一致するものではなかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Ann Nucl Med
巻: 29 ページ: 325-335
10.1007/s12149-015-0948-8