研究課題
本年度では、このようなヒト肝臓原基の人為的構成法の拡張を目指し、膵臓を含む他器官の構成系への活用可能性を検討した。具体的には、研究代表者らが開発した手法により、マウス膵β細胞株、マウス胎児膵臓細胞、マウス・ヒト膵島組織などのいずれにおいても、3次元的な膵臓原基の作製が実現できることを示した。さらに、腎組織など他器官の再構成系としても利用できることを発見した。一方、血管系を含む本培養系を用いることで、インスリン分泌機能や、移植後の生着効率に優れることを確認した。治療効果の検証を目的として、免疫不全状態で膵β細胞が選択的・特異的に破壊される Insulin-TRECK-scidマウスへの移植実験を行ったところ、膵臓原基の異所性移植群において、肝不全モデルマウスの生存率が著名に改善することを見出した。ヒトiPS由来膵臓内胚葉細胞については、他グループの既報プロトコルを用いて作製したところ充分な機能性は確認されなかったものの、移植可能な組織形成が可能であることを示したことから、今後再現性の高いプロトコルが確立され次第、本培養系の優位性が示されるものと期待される。成果の一部は本年度において、著名な学術雑誌であるCell Stem Cell誌(in press)に受理され、その他の成果も論文発表を準備中である。器官原基を移植する、という新たな治療概念によって、従来の細胞を移植するという治療を凌駕する革新的な再生医療を提供できるものと大いに期待される。本法を基盤技術として、本研究が対象としている膵臓をはじめ様々なヒト臓器構成系を開発していくことにより、将来的に莫大な社会的医療ニーズに応え、多くの患者を救済することが可能な再生医療実現化へ向けて革新的な手法を確立できるものと大いに期待される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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