研究課題
これまでにヒストン脱メチル化酵素であるLSD1の阻害剤(NCL1)が食道扁平上皮癌において抗腫瘍効果を有することを確認した。臨床検体を用いた免疫染色法における検討にてLSD1は食道扁平上皮癌において正常部に比し高い発現を認めた。NCL1により細胞内でのヒストン蛋白のメチル化が生じその結果複数の遺伝子の発現が変動することをmicroarrayを用いた網羅的な検討にて確認した。さらに、次世代型シーケンサーを用いてChIP-seq(クロマチン免疫沈降法-シーケンス)を施行し、ヒストンメチル化により直接的に発現が変動する遺伝子群を検索した。先のmicroarrayのデータとChIP-seqのデータを統合的に解析することで、PHLDB2遺伝子がヒストンメチル化の直接的な標的であることが明らかとなった。PHLDB2を複数の食道扁平上皮癌細胞株(T.Tn、TE1、4、12、13)を用いてknock downを行ったところいずれの細胞株においても有意に増殖、移動、浸潤能が低下することが明らかとなった。また、real time-PCR法による検討ではPHLDB2高発現群は有意に予後不良であることが確認された(Ann Surg Oncol, 2015 Mar 20.)。また、microRNAに関して、これまでの網羅的な検討から食道扁平上皮癌において切除標本および血清中の発現の多寡を網羅的に検討し、それらの各因子についての検討を行った(Int J Oncol. 2015 Mar;46(3):1059-66.、Oncology. 2014;87(6):351-63.)。血清中のmiR-106bは有意に食道癌患者にて低下しており新たなバイオマーカーとなることが期待された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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