研究課題/領域番号 |
24689055
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研究機関 | 公益財団法人先端医療振興財団 |
研究代表者 |
大倉 華雪 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (20589684)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 重症心不全 / 再生医療 |
研究概要 |
【1】ブタ慢性心筋梗塞モデルによる薬剤誘導心筋前駆細胞シートの有用性の検証 ブタ(体重30kg)を用いて慢性心筋梗塞モデルを作成、全身麻酔下、本申請者らが開発した2回塞栓法にて心筋梗塞を作製し、4週間後に経胸壁心エコーにて前壁、中隔のasynergyを確認し、心駆出率(Ejection Fraction; EF)が35%以下の動物を慢性心筋梗塞モデルとして安定的に作出し、実験に供した。心臓超音波検査を用いて心収縮能、拡張能を評価し、当該細胞製剤のCIMを確認した。 【2】安全性評価項目の策定 First-in-Manにて臨床応用する際、それが臨床研究として平成22年厚生労働省告示第380号「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に基づき行われる場合でも、薬事法に基づき行われる場合であっても、細胞・組織利用医薬品医療機器をヒトに投与・移植するにあたっては、その有用性(安全性・有効性)の基準として平成20年薬食発第0208003号通知、平成20年0912006号通知(平成12年12月16日医薬発第1314号通知別添2の改定通知)に準拠する必要がある。加えて、心筋シートとして移植される場合には、平成19年度次世代医療機器審査評価WG報告書に則る必要がある。心臓への再生医療機器の適用にあたっては平成19年度次世代医療機器審査評価WG報告書「心筋シート基準」に則り、【1】にて行った大動物実験でのデータを基盤とし、心筋シートとして特異的な安全性・有効性にかかる項目だてを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
重症心不全モデルブタを用いての有効性の検証が終了し、当該機序の解明が残されているだけである。安全性に関しても、不整評価が進展し、加えてコアバッテリー評価指標の組み立てに移行しており、十分に進捗かつ前倒しで進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までに成果として、当該細胞が重症心不全モデルブタの心機能を改善させることが明らかとなった。これら大動物実験でのデータを基盤とし、誘導心筋前駆細胞シートとして特異的な安全性・有効性にかかる項目だてを行う。これら項目は臨床試験が行われる際のプライマリーエンドポイント、セカンダリーエンドポイントの候補として、pivotal試験を行う前提として施行される探索型臨床研究の評価項目として採用するべき明示する。特に大動物でしか検討ができない催不整脈作用に関して注意深く検討する。特に催不整脈作用の観察にあっては、循環器系がコアバッテリーであることを勘案し、Lown分類による不整脈評価のみならず、心室性頻拍・頻脈の出現評価が重要である。24時間心電図を用い、3連発以上の心室性頻拍・頻脈が認められるか、認められる場合は頻度が投与前後、コントロール対照と比較して、統計的に有意差をもって増加しているかを検証する必要がある。 有効性に関しては、その機序の解明が重要である。特に、in situ reprogrammingの機序の解明は、平成26年度に残された重要な検討課題である。
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次年度の研究費の使用計画 |
非臨床試験の実施にあたり、単年度で少ないN数で実施すると生物統計学的に好ましくないと判断されたため。 最終年度に取りまとめてN数の大きい実験を行う。
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