研究課題/領域番号 |
24689059
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江木 盛時 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20423296)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 手術 / 集中治療 / 血糖値 / 変動 |
研究概要 |
H25年度は以下の研究を行った。 1:ICUに入室した糖尿病患者および非糖尿病患者のICU滞在中の血糖管理の現状を明らかにする多国間研究;糖尿病患者および非糖尿病患者のICU入室時の血糖管理に関する疫学研究は, 本邦では乏しいことはもちろん、多国間研究は極めて少ない。遺伝的多型の考慮した研究を行うためには、多国間の共同研究が必要である。現在行われているICU滞在中の血糖管理とその予後との関係を糖尿病患者および非糖尿病患者に分けて解析する研究を行い、全研究施設の約45000名の患者情報および重症化後の血糖管理の情報を集積し解析を進めている。 2:ICUに入室した糖尿病患者および非糖尿病患者の術前血糖管理の現状を明らかにする多国間研究;3カ国約4500名の患者のICU入室前血糖管理を把握し, 術後予後との関係を検討するために情報収集を行った。患者情報および重症化前血糖管理の情報を解析を進めた。 3:患者予後の集積・術後の酸化ストレス・炎症反応と 各血糖の指標との関連を明らかにする前向き研究;前向きに術後ICU入室患者の患者予後・ICU入室時HbA1c・術後の酸化ストレスの指標・炎症反応の指標を集積した。術前血糖管理と,急性期血糖管理およびglycemic gapと患者予後との関連を検討している。術後せん妄・術後腎不全を含めた術後予後との関連を検討するため、せん妄関連マーカーや腎不全マーカーの測定も同時に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学人事により勤務病院の変更があったため、研究遂行がやや遅れている。しかし、いずれも研究拠点病院であり、各病院において、個々の計画を遂行に努めた。平成26年1月より神戸大学病院に移動し、糖尿病内科・心臓血管外科などと協力の上、本研究の基盤を確立し、研究続行を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
国際的後ろ向きDatabaseの解析を進め、論文化を行う。現在、2枚の論文を投稿中である。平成26年度の半ばまでに目標集積患者数に到達するよう前向き研究を継続する。また、近年臨床的問題となっている、術後せん妄も術後アウトカムに加え、更に研究を継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
大学人事に伴い勤務病院が一時的に変更となったため、研究が計画よりやや遅れた。このため、次年度繰越金が発生した。各勤務病院は研究拠点病であるため研究遂行に問題はなかったが、新たな倫理申請が必要であったため研究が遂行できない期間が存在したことが大きな理由であった。 平成26年1月より神戸大学病院に移動し、糖尿病内科の研究者や心臓血管外科をはじめとする外科系研究者と連携を取り、新たに研究遂行をできるよう体制を整えた。計画に伴い、周術期血糖管理の変動と患者予後に関する研究を続行する。また、術後せん妄など新たな臨床的アウトカムを取得する体制もできたため、神経系術後合併症に関するマーカーの測定を追加することが必要が生じた。次年度使用額はこれらの研究遂行に必要であり、これらの計画に沿って使用していく予定である。
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