研究実績の概要 |
H26年度は以下の研究を行った。 1:術後集中治療を必要とする心臓手術が予定されている糖尿病患者40名を対象に、術前血糖管理の評価・患者情報の集積・患者予後の集積・術後の酸化ストレスマーカーの測定・炎症反応および術後血糖管理の測定を行った。術前血糖管理は、DCA バンテージを用いて手術室内で測定を行い、術中・術後に連続的に頻回な血糖測定を行い、Glycemic Gapの観察をおこなった。平成24・25年の研究で患者間のばらつきの少なかった尿中8-OHdG・尿中8-iso-ProstaglandinF2αの測定を酸化ストレスの指標として測定した。平成24・25年度に集積した情報と合わせて、術前血糖管理と,急性期血糖管理およびglycemic gapと患者予後との関連を検討している。 2:ICUに入室した糖尿病患者および非糖尿病患者(計3500名)のICU滞在中の血糖管理の現状を明らかにし、入室前血糖管理とICU血糖管理の差(Glycemic gap)を算出し、患者予後との関係を解析した。入室前血糖管理と最低血糖との差(最大Glycemic gap), 入室前血糖管理と平均血糖値との差(mean Glycemic gap)に関する論文を執筆し投稿中である。 3;術後集中治療を必要とする心臓手術が施行された患者のうち、低血糖を生じた57患者を対象に、術前血糖管理、術後血糖管理および患者予後の検討を行った。入室前血糖管理と最低血糖との差(最大Glycemic gap)と予後の関係を解析中である。また、入室前血糖管理が低血糖発生のリスク因子となるか解析している。
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