研究課題
プロゲステロンは核内受容体であるプロゲステロン受容体を介して働く。分娩発来には子宮におけるプロゲステロン-プロゲステロン受容体シグナルの減弱が重要と考えられており、早期のプロゲステロン-プロゲステロン受容体シグナル減弱いわば「プロゲステロン抵抗性」が早産の中心的な病因・病態であると推測される。本研究では、プロゲステロン-プロゲステロン受容体シグナル調節機構と早産との関連につき明らかにすることを目的としている。本年度の研究では、妊娠前・妊娠初期・妊娠後期(正期産/早産、帝王切開/経腟分娩)由来のヒト子宮内膜間質細胞を用いて、プロゲステロン受容体の転写調節のターゲットとなる遺伝子を免疫沈降シーケンシングで抽出し、合わせてRNAシーケンシングを用いてプロゲステロン誘導性のmRNAを抽出した。本研究から、プロゲステロン応答遺伝子が妊娠の時期特異的にダイナミックに変化することが明らかとなった。また、経腟分娩検体について、早産と正期産で比較することにより、正期産の検体で見出したプロゲステロン応答遺伝子の中で、早産検体でプロゲステロンに対する応答が低下している遺伝子を見出すことができた。現在、早産に関わるプロゲステロン応答遺伝子について機能解析を進めている。本研究により、脱落膜におけるプロゲステロン・プロゲステロン受容体の複合体のターゲット遺伝子の早産特異的な変化を示すことができ、プロゲステロン抵抗性と早産の機序の解明の糸口を見出すことができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
学会賞:原口広史(大学院生、博士課程4年)平成27年度日本生殖医学会学術奨励賞、松本玲央奈(大学院生、博士課程3年)第30回日本生殖免疫学会学会賞ベストポスター賞(基礎部門):松本玲央奈(大学院生、博士課程3年)31st ESHRE Annual Meeting (ESHRE 2015)(Portugal, Lisbon)2015.06.17
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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jc20161515
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