研究概要 |
平成24年度には、「正常上咽頭細胞」、「EBV感染前一前癌細胞」、「EBV感染一前癌細胞」、「EBV感染―細胞」の各段階のモデル細胞を作成を開始した。2010年に同定された上咽頭前癌細胞の候補遺伝子、3pにコードされるMDS-EVI1, 9pにコードされるCDKN2,13pにコードされるTNFRS19をクローニングしこれらの遺伝子をレトロウィルスベクターに導入した。これらのウィルスベクターは、エストロゲン添加によって遺伝子発現が増加する。これらの3遺伝子を「正常上咽頭細胞」NP69およびAdAH、ならびにMDCK細胞に導入し発現させた。また、「EBV感染前―前癌細胞」モデルにテトラサイクリンによりEBV癌遺伝子と考えられるLMP1, LMP2, EBNA1を発現誘導するウイルスベクターを各々導入し、「EBV感染―癌細胞」および「EBV感染―細胞」を作製した。各々のレトロウィルスベクターはPLAT-A細胞に、Fugene6を用いてトランスクフェクション後、トランスフェクション1日目に一度培地を交換、トランスフェクション後3日目に培養液を回収、遠心を行い上清を回収しウィルス保存液として上皮細胞への感染まで-80℃で保存を行った。NP69, AdAH, MDCK細胞は感染前日に培養皿にまきその24時間後にウィルス保存液を培養液中に添加した。ウィルス感染後24時間で一度培養液を交換し、選択薬剤であるG418, puromycinを培養液に添加した。その後、低濃度で希釈した後に選択薬剤を用いてクローンを選択し、クローニングカップでシングルクローンを採取した。Western blot法およびRT-PCR法にて選択クローンの遺伝子発現を確認した。
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