癌組織は、少数の癌幹細胞と多数の分化細胞から構成される「癌幹細胞」理論が提唱された。我々は、Epstein-Barrウィルス (EBV)遺伝子を用い、上咽頭癌の癌幹細胞作成に成功した。 他方、癌細胞増殖は、周囲の正常細胞との相互作用「細胞競合」により規定されることが報告された。本研究では、「正常細胞」「前癌病変細胞」「癌細胞」「癌幹細胞」を作成し、細胞競合現象を検討した。いずれの共培養でも細胞競合は起こった。上咽頭癌組織・細胞モデルにおいて、細胞競合マーカーのSparc発現低下と、周囲の正常組織でSparcの発現亢進を認めた。これらからSparcは細胞競合に強く関連していることが示唆された。
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