更年期女性が自覚しやすい疲労に関して研究を進めた。調査の結果、主観的健康観の低さや生活習慣の乱れが、疲労の増強に影響を及ぼしていることが示唆された。また、視覚探索反応時間や指尖加速度脈波計によって疲労の程度を客観的に評価した結果、視覚探索反応時間の遅延から精神的疲労の蓄積が推測された。 さらに、女性の感情に着目し、対人的嫌悪感情を測定する尺度の開発を行った。嫌悪感情は疲労と密接な関連があり、人間関係の良好さは疲労を軽減させる要素である。尺度は4因子で構成され、統計学的にその妥当性、内的整合性、再現性を検証することができた。新しい尺度は、更年期女性の精神面の変調を導き出す一助になり得ると考える。
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