研究課題
厳密な理論保証を持つアルゴリズム設計理論,および,計算複雑性理論に関して以下に記載するものを含めて研究成果を得た.(1) グラフ上のトークン整列問題に対して,2次式による組合せ的上界,および,木に対する多項式時間2近似アルゴリズム,完全二部グラフに対する多項式時間厳密アルゴリズムを導出した.(2) 与えられた辺長を厳密に保存するような部分グラフの直線非交差埋め込みが存在するための必要十分条件を導出し,それに関連する問題が多項式時間で厳密に解けることを証明した.(3) 障害物を含む多角形領域の半径を厳密に計算するための多項式時間アルゴリズムを設計し,Mitchellによる問題を解決した.
2: おおむね順調に進展している
「研究の目的」に記載した3つのテーマ「厳密計算の費やす資源に対する信頼性評価」,「信頼性の低い計算構成要素を用いて信頼性の高い計算結果を得るアルゴリズム設計理論」,「頑健な厳密計算アルゴリズム設計技法とその現実的計算量解析手法の発展」のすべてに関して進展を得て,その結果を国際学会,国際論文誌において発表した.
前年度の成果を踏まえて,「研究の目的」に記載した3つのテーマに取り組む.そのために,最新の研究成果の調査,専門的知識の入手,および,研究会参加による意見・情報交換を行う.また,研究によって得られたアルゴリズムの有効性を検証するために計算機実験を行ない,理論にフィードバックする.研究の過程で得られた理論的成果,実験結果に関する情報交換を行うために,国内外の研究会等で発表する.
研究期間中,厳密計算の信頼性に関する重要な新事実が他研究者により発見された.具体的には,ベルギーとオランダの研究グループによる厳密計算と多面体的組合せ論の融合に関するブレークスルーと米国のグループによる深化,および,ノルウェーとインドの研究グループによる木幅をパラメータとするグラフ同型性判定厳密アルゴリズムの解決である.研究遂行上それらの結果に対する新たな調査が必要となり,研究計画の変更を行った.
成果発表のための旅費,消耗品購入,その他雑費として使用する.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
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