研究概要 |
初年度で得た成果 (国際会議採録)の安全性証明のバグを発見したため, 本年度はバグの修正方針の検討及び修正に注力した. 具体的に, チャレンジ暗号文に対する準同型演算の結果から平文に関する情報が漏洩していた. この攻撃を防ぐために, まずチャレンジ暗号文を準同型オラクルに入力しないという弱い安全性を定義し, 国際会議版の方式に対する攻撃を防ぐように修正した版をプレプリントサーバに投稿 (2013/6/13) した. 次に元々想定した安全性の達成に向けた修正方針として, 準同型オラクル内で新規に乱数を振ることで, チャレンジ暗号文が入力されてもチャレンジ暗号文と同じ平文の暗号文に置き換えが可能であることを発見し, 修正版を作成, プレプリントサーバの論文をアップデートした (2014/5/13). 今後は提案方式の応用, 及びフルバージョンのジャーナル投稿を行う予定である. 情報収集として, 本研究分野 (公開鍵暗号) における権威ある国際会議であるPublic Key Cryptography (PKC) 2014 (特に本研究に関連するCCA安全性や準同型暗号のセッション) に聴講参加した. 国内で開催される国際ワークショップ International Workshop on Security (IWSEC) 2013にも聴講参加した. また, 提案方式の応用先についてディスカッションするため, 依頼出張を申請した.
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