研究課題/領域番号 |
24700013
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
MOROZOV Kirill 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (80443232)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 符号理論に基づく暗号方式 / 平文知識証明プロトコル / 秘密分散法 / 不正者に対しても検知可能な秘密分散法 |
研究概要 |
(1) McElieceとNiederreiter暗号化とそのセマンティック安全な改良[Nojima Kobara Imai Morozov, Designs Codes Cryptography’08]といった符号理論に基づく暗号方式について、Sternのゼロ知識証明プロトコルを応用して、平文知識証明プロトコルを構築した。「17th Australasian Conference, ACISP 2012」と「8th ACM Symposium on Information, Computer and Communications Security 2012」で論文を発表した。その論文で平文知識証明プロトコルでは検証可能な暗号化(verifiable encryption)への応用を提案した。 (2) [Obana, EUROCRYPT 2011] で提案されたプロトコルに基づいてrushing 不正者に対しても検知可能な(k,n)秘密分散法を構築した。t不正者(t<k/3)である場合、[Choudhary, PODC 2012]と[Cevallos et al, EUROCRYPT 2012] に比べて提案した秘密分散法の分散のサイズが小さくなるという論文を完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トピック(1)では、符号理論に基づくMcElieceとNiederreiter暗号化の平文知識証明プロトコルを構築したので、計画した目標に到達できた。Alekhnovich暗号化について、今年、この暗号化の新しいバリアントがいろいろ提案されているため、そのバリアントを評価し、平文知識証明プロトコルを構築する予定である。 トピック(2)では、改良方式を構築したが、まだ提出していない。 上記の理由により、区分は(2)である。
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今後の研究の推進方策 |
H25: (1) [Dottling et al]でのAlekhnovich暗号化のバリアントを安全性を評価し、そのバリアントのために平文知識証明プロトコル構築。 (2) 符号理論に基づくグループ署名構築。この構築のために、符号理論に基づくCourtois-Finiasz-Sendrier署名と前構築した平文知識証明を応用する。 (3) 共有データのサイズを縮小した [Cramer et al, Eurocrypt’00] の検証可能秘密分散プロトコル構築。 H26: [Gentry et al, STOC’08] の格子理論に基づくIDベース暗号の構成方法を応用し、世界初の符号理論に基づくIDベース暗号を構築する。この際、平成24-25の研究に基づき、McEliece暗号、Niederreiter暗号、Alekhnovich暗号などの符号理論に基づく暗号のうち上記のIDベース暗号の構築に最適なものを選定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
-) 招待講演を発表:特に、湖北工業大学で主催した「2013 International Symposium on Data Security and Identity Privacy in Cloud Computing (DSIP2013)」、2013年5月5~7日、武漢、中国。 -) セミナー(招待者のみ):Dagstuhlセミナー「Quantum Cryptanalysis (13371)」、2013年9月8~13日、Schloss Dagstuhl、ドイツ。 -) 国際会議参加:特に、「8th ACM Symposium on Information, Computer and Communications Security 2012」、2013年5月8~11日、杭州、中国。 -) 国内会議参加:2012年 暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2012)、2013年1月予定、鹿児島。 -) 物品:Ultrabookのラップトップ、出張での作業を容易にするため。 物品費: \200,000 旅費: \700,000 人件費・謝金 \100,000 その他: \100,000
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