研究課題/領域番号 |
24700024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 聡史 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (40570081)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | GPGPU / 自動チューニング |
研究概要 |
平成24年度は当初の予定通りにプログラムの書き換え機能とチューニング時間の削減機能を実現するべくプロトタイプ実装を行い、機能の実現可能性と有効性の確認を行った。 有効性については、まずは処理系として実装するのではなく、手動でソースコードを書き換えたり簡単なプログラム書き換えスクリプトを作成するなどして確認を行った。確認の結果、当初期待したものと比べると限定的ではあるが、研究の目的に適う有効性が得られることが確認できた。また年度終盤には新アーキテクチャのGPUが利用可能になり、利用可能な機能や情報の増加や変更があった。そのため、これらへの対応についても検討や実験を始めた。 一方の実現性については、計画上は既存のXMP処理系を利用することを考えていた。しかし、XMPの持つプログラム書き換え機能は本研究で行おうとしているプログラム書き換え機能の実現においてはあまり有用とならないこと、活用しにくいことが判明した。そのため、現実的な時間と手間で機能を実現させる方法については、XMPの利用と別の処理系等の活用それぞれの方向から再検討を行っている。 プロファイリング・解析を用いたサジェスチョン機能についても開発を開始し、自ら実装した疎行列ベクトル積プログラムを中心に性能情報の取得と蓄積を行っている。有用なプロファイラ情報の分析・抽出については途中であり、継続して行う必要がある。 なお実現性の問題によりツール(ソフトウェア)としての実装は遅れており、公開予定については未定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
既存の処理系を用いて機能を実装することにより実装の時間と手間を削減する予定であった。しかし、機能の制約の都合上、容易に活用できないことが判明した。そのため開発が遅れており、研究の達成自体も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に掲げたとおり、最適化やサジェスチョンなどの機能について実現する。ただし実装方法については研究計画通り既存の処理系XMPを利用するのは難しい状況にある。対応策は現在検討中であるが、他の処理系を利用することなども考えている。機能の有効性を検証し広めることを優先し、テキスト置換などによる実装を進めることも視野に入れている。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費(技術調査と成果発表)、自動チューニングの対象環境を増やすためのGPU購入費、成果公開に関する印刷等の費用として使用する予定である。
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