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2013 年度 実施状況報告書

スループット予測に基づいて複製配置を行う広域分散アーカイバルストレージ

研究課題

研究課題/領域番号 24700031
研究機関筑波大学

研究代表者

阿部 洋丈  筑波大学, システム情報系, 准教授 (00456716)

キーワード並列処理・分散処理 / 広域分散ストレージ
研究概要

当年度は、マルチパス転送を効率的に実現するためにスループット予測を利用する方法の検討を実施した。また、一部に重なりのある複数経路に対して同時にスループット予測を行った場合の影響に関する実験についても実施した。
拠点間でのデータ複製にかかる時間を短くするためには、可能な限りデータ転送のスループットを向上させることが望ましい。前年度までは、拠点間ではあくまで単一の経路を用いるという前提でシステムの検討を進めていた。当年度は、複数の経路がある場合はそれらを組み合わせることで効率的な転送を実現することを目指し、その実現のための検討を行った。マルチパス転送を用いるとなると、そもそもどの拠点にデータを送るかという判断の他に、その拠点に到達する複数の経路候補の中からどれを選ぶのかを即座に判断する必要が生じる。そのためには、経路制御機構とスループット予測機構を迅速に連携させて動作させることが求められる。我々は、そのようなシステムの設計について検討した結果を情報処理学会のシステムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会にて口頭発表を行い、他の研究者らと議論を行った。また、研究会発表の後に、実際に動作可能なシステムを実装し、情報通信研究機構の新世代ネットワークテストベッドである JGN-X を利用して動作検証を行った。
拠点間に複数の経路が選択できる場合でも、それらの経路が完全に独立ではなく、一部に重なりをもっている場合がある。そのようなケースにおいて、本研究のベースとなっている予測手法が、どのような性質を持つかはこれまで明らかになっていない。そこで我々は、ネットワークシミュレータを用いて、一部重なりのある経路においてスループット予測を実施した場合の傾向について実験を実施した。今後、実験の結果について取りまとめを行い、研究会等で発表を行うことを計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当年度は、前年度の段階では未実施であった、PlanetLab 以外のテストベッド環境、具体的には JGN-X における実験を実施するための環境を整え、スループット予測やマルチパス転送の実験を実施することが出来た。また、提案当初には無かった、マルチパス転送を用いるというアイディアを取り込み、それに関するシステム設計の検討を進めることが出来たことは望ましい成果であると言える。しかし、ネットワーク部分に関する成果は順調に進んでいるものの、ストレージ部分に関する進捗については当初の計画通りであるとは言えない。そのため、現時点での達成度評価は「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

次年度は、スループット予測や経路制御に関する部分についての成果のとりまとめを実施した上で、ストレージ部分の設計検討、実装、および評価実験の実施に注力する予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初の計画では国際会議発表のための旅費を計上していたが、当年度は国内発表のみであった為、その分が差額として残った。
次年度においては、国際会議への投稿・採択も視野に入れながら積極的な成果展開を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] スループット予測による経路選択を用いたOpenFlow環境でのMPTCP転送

    • 著者名/発表者名
      前田達憲,阿部洋丈,加藤 和彦
    • 学会等名
      情報処理学会 第127回 システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会
    • 発表場所
      芝浦工業大学

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公開日: 2015-05-28  

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