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2013 年度 実施状況報告書

不具合検出過程における視線移動に着目したマイクロプロセス分析

研究課題

研究課題/領域番号 24700038
研究機関奈良工業高等専門学校

研究代表者

上野 秀剛  奈良工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (70550094)

キーワード不具合検出 / マイクロプロセス / 視線計測
研究概要

本研究の目的は,設計書・仕様書を精読する作業であるピアレビューや,ソースコードのデバッグ作業における開発者の視線移動と行動履歴を詳しく分析し,ソフトウェア開発における熟練者の作業手順から,効果的な不具合検出戦略を明らかにすることである.
研究期間2年目である本年度は,前年度に作成した実験環境および実験用システムを用いた実験を行った.実験において被験者がレビューを行うために必要な計算機を導入し,作成した実験システムが正しく動作することを確認した.本年度に実施した実験では,レビュー効率の高い開発者に見られた視線移動のパターンを元に,レビューにおける読み方の指針を作成し,被験者に教示した.ソースコードを対象としたレビューにおいて設計書や仕様書といった上位文書に着目するよう教示した被験者と教示しない被験者で,不具合の検出効率が向上するか確認した.
予備実験で被験者のレビュー能力を計測し,均等になるよう2グループに分割した上で,片方のグループにのみ,レビュー時に上位文書を読んでからレビュー対象のソースコードを読むように教示した.その結果,教示有りのグループが教示無しのグループに比べ不具合の検出効率が高かった.
実験時に計測した視線移動および操作履歴から,教示有りのグループはレビュー開始時に教示通りに上位文書に視線が集中していたほか,レビュー作業全体を通して,上位文書とソースコードを見比べるような視線が見られた.この結果は,レビュー前に読み方を教示するという簡易な方法だけでレビューの効率を向上できる可能性を示唆している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画で予定していた実験の実施についてほぼ予定通りに進捗した.前年度に未完了であった実験用計算機を導入し,実験を実施した.以前の研究で得られた成果を元に,レビュー方法の教示内容を作成し,実験によりその効果を確認できた.実験で得られたマイクロプロセスデータの分析については今後も継続して行う.

今後の研究の推進方策

本年度に実施した実験結果について,国内会議および国際会議で発表し研究成果を公開すると共に,他の研究者から意見をもらい,論文誌などへ投稿する.実験で得られたマイクロプロセスデータと不具合の検出効率・効果の関係を統計的に分析するための方法について調査・実装を行う.
ソースコード以外の文書を対象としたレビューについても実験し,レビュー対象の文書に対する視線移動と不具合検出の履歴から不具合を検出するまでの開発者の視線の動きを特定し,行動パターンの発生頻度を分析する.明らかになった不具合の検出効率・効果と相関の高い行動パターンを開発者に教示し,検出効率・効果が向上するか確認する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 複数ソフトウェアに対する開発者の視線分析支援ツール2014

    • 著者名/発表者名
      杉邑洋樹, 上野秀剛
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告. ソフトウェア工学研究会
    • 発表場所
      化学会館
    • 年月日
      20140319-20140320
  • [学会発表] 視線情報に基づいたユーザインタフェースへの慣れの定量化2013

    • 著者名/発表者名
      杉邑洋樹, 上野秀剛
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告. ヒューマンコンピュータインタラクション研究会
    • 発表場所
      国士舘大学 世田谷キャンパス
    • 年月日
      20130517-20130517

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公開日: 2015-05-28  

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