研究課題/領域番号 |
24700056
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉川 祐樹 呉工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (50453212)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | LSIのテスト / 遅延故障のテスト / 高位合成 / LSIのCAD |
研究概要 |
近年の高速に動作するLSIは遅延故障(信号の伝搬が遅れ誤動作する故障)による不良チップが増加している.製造チップの市場不良率の抑制や製造コスト削減の観点から,遅延故障に対する高品質かつ低コストなテスト技術の開発は産業界で重要な課題となっている.本研究では,通常動作に加えて設計の上位段階から遅延故障のテスト容易性を考慮した高位合成を提案する. 本研究課題は申請書にも示したとおり,パス遅延テスト容易性を考慮したバインディング法とスケジューリング法の提案からなる.H24年度は研究計画に記載したとおり,パス遅延テスト容易性を考慮したバインディング法に取り組んだ.計画ではH24年度中にバインディングアルゴリズムを提案し,H25年度初旬に論文投稿の予定であったが,順調に進捗したため,H25年1月にIEEE主催の国際会議ASP-DACにおいて発表を行った.このASP-DACに採択されたことから,学術的に認められた,意味のある研究成果を出せたといえる.ただし,実験による評価サンプルが少なかったことから,もう少しサンプルを増やしてこのアルゴリズムの有効性を評価する必要がある. 今後はパス遅延テスト容易性を考慮したバインディング法について,評価を充実させた上で,学術論文誌に投稿する.また同時に,H25年度の計画になっているパス遅延テスト容易性を考慮したスケジューリング法の提案を進める. 現在のところ,申請書で示した計画どおりに進捗しているといえる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は申請書にも示したとおり,パス遅延テスト容易性を考慮したバインディング法とスケジューリング法の提案からなる.計画ではH24年度中にバインディングアルゴリズムを提案し,H25年度初旬に論文投稿の予定であったが,順調に進捗したため,H25年1月にIEEE主催の国際会議ASP-DACにおいて発表を行った.このことからも学術的に認められるある一定の成果が得られたと考える. H25年度は計画書のとおりパス遅延テスト容易性を考慮したスケジューリング法の提案に取り組む.
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ計画書に従って順調に進捗している.H25年度に研究を行う,パス遅延テスト容易性を考慮したスケジューリング法は,H24年度に提案したバインディングアルゴリズムへの入力となる部分である.提案するスケジューリングは,与えられたデータフローグラフ(演算時刻は未決定)について,まずは各演算を配置する時刻を工夫することでスケジュール済みデータフローグラフの生成を行うが,場合によっては演算規則などを用いてデータフローグラフの構造そのものを再構築することで更に有効なスケジュール済みデータフローグラフの生成も検討する.H25年度後半にはスケジューリングアルゴリズムを完成させ評価実験まで行い,H26年度前半には論文を投稿する.
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次年度の研究費の使用計画 |
繰り越した金額は,次年度の物品購入予算とする.
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