研究概要 |
平成25年度は、前年度までの研究成果を基に、複数の個人向けクラウドストレージと秘密分散共有法を利用してクラウドストレージに強固に安全にデータを記録する3SoC (Secret Sharing Scheme on Cloud)技術を開発し,また,その動作検証用に基本的機能を搭載したWindowsアプリを作成した。 さらに,このWindowsアプリの一般的な利用形態における仮想的な安全性検証を行い,その優れた有用性と将来性を示した。この成果は,2014年1月開催の「2014年 暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS 2014)」にて発表を行った。 また,この汎用クラウドストレージサービス(Dropbox, OneDrive, Google Driveなど)を利用した場合の、Windowsアプリの性能評価も行った.その結果、このWindowsアプリが、現状で十分な実用性を有することを示し、さらに、汎用クラウドストレージサービスの特性を考慮することで更なる性能向上が期待できることも示した。この成果は,2014年10月開催の国際会議「the International Symposium on Information Theory and Its Applications (ISITA2014)」に発表予定(論文投稿中)である。 本研究で開発した3SoC技術は,クラウドストレージに保存するデータに、情報理論的安全性を実現するものである。現在のところ,このような製品・サービスは法人向けに限定されており,一般ユーザ向けには実用的かつオープンな製品がまだ存在しない。したがって,本研究で作成したWindowsアプリを一般に公開することには、大きな意義があると言える。
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