研究課題/領域番号 |
24700094
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
矢口 勇一 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00609109)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | データマイニング / 情報可視化 |
研究概要 |
本年度は、関連するJournal1本、Conference4本の発表を行った。具体的には、情報地球儀の基となるAssociated Keyword Spaceの応用に関する事、情報地球儀のクラスタリング性能について、実アプリケーション(震災復興に資する写真返却システム)の構築、及びクラスタリング性能を使用したJava APIの自動分類に関する研究である。 特に、実アプリケーションについては、震災復興に資するプロジェクトとして、福島県新地町を舞台にした写真返却システムの構築を行い、現在実際に使用している。また、岩手県山田町や、その他の市町村についても同様のシステムを導入できるように活動中である。さらには、本システムを応用して、Style Share社のサービスへの応用も検討・共同研究中である。 本年度はまた、アルゴリズムとして情報地球儀を確立し、かつ入力が斉時であったものを逐次入力が可能な形にする事を提案した。これらは、これから時系列上で表される関係マトリクスの変遷の可視化にも応用する事が出来る上に、情報の可視化として、膨大なサイズのTwitter等のデータの関係を、2次元球面として見る事で、Visual Inspectionを用いたデータマイニングにも非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初達成目標に対して、本研究では実応用である新地町への写真返却システムを作成する事を提案していたが、これは2012年8月より2013年4月まで試用期間を終了し、2013年4月より実運用を開始している。試用期間中に、本システムを介して返却された数は、全体数約28000件に対して500件程度であるが、返却数以上に、地域コミュニティの思い出の閲覧場所として活躍している。また、2013年中の目標である情報コラボレーションシステムの構想についても、既にStyle Share社の協力を得て、服装コーディネーションマップ等の実用検討に移っている。さらには、時系列上のデータを扱うことが出来るものとして、データの逐次データ投入可能なアルゴリズムを再設計したことから、Twitterからの情報マッピング等、多種多様なデータへの応用が期待できるため、この達成度とした。
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今後の研究の推進方策 |
先ず、2つのアプリケーションを作成することに注力する。1つはStyle Share社の『服装コーディネーションマップ』である。これは、ユーザーの服装コーディネーションデータを関係グラフとして扱い、情報地球儀により可視化し、多くの人が勧めるコーディネーション可能な服を、お気に入りや探したい服の近くに配置するというものである。これに、画像の類似情報や、服の属性情報等を追加し、ユーザーの満足度の高いコーディネーション作成システムを構築する事を目指す。もう1つはTwitterのツイートデータから、とある語に想起される語の推移を一覧化する『時系列情報地球儀』の作成を行う事である。既に、1万ユーザー、約500万ツイートを持つ連結度の強い幾つかのグループ内のTweetを収集しており、このデータベースから、Fact Findingを行う事の出来るように応用して行くことを2013年の研究の目標とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は本年度と同様に、開発用のマシン、国際会議やJournalへの投稿料及び旅費を中心として使用するものである。次年度はサーバ用として30万円を計上していたが、別予算で購入する事が可能であったために、サーバ関連のデータを効率よく扱うためのオペレーションマシンとして、10万以下のマシンを数台購入する事を視野に入れている。
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