「完成作品の視聴時のEEGデータほか生体情報データの取得」に関しては,平成25年度は3作品を対象に25名づつ脳波の計測を実施した.また,平成24年度に引き続き,他の生体情報データの取得に関連して,本研究費にて購入した筋電計を用いて,脳波では計測できない指標についても計測した. 「既存のシナリオライティング方法論との比較」については,2によって取得したデータをもとに分析した.その結果,EEGのデータはシナリオのような大きな変化以上に画面の変化など,表面的な変化に大きく左右することが明らかになった. 「シナリオ段階での評価手法の検討」については,本研究の成果に基づき,「完成した映像」ではなく「シナリオ」の段階で映像作品の評価を行う手法について検討した.ひとつの作品を「シナリオ」,「シナリオをもとにしたスライドショー」,「絵コンテ」,「プレビズ」,「完成作品」の5つの状態で用意し,それぞれを視聴してもらい脳波を計測した.その結果,「シナリオ」段階から完成品に近づくにつれ,「集中度」が上昇するポイントの合致する回数が増加することがわかった.
|