研究課題/領域番号 |
24700105
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
吉田 大介 帝塚山学院大学, リベラルアーツ学部, 准教授 (00555344)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | GPS / QZSS / WPS / Webサービス / オープンソース / クラウド |
研究概要 |
初年度の実績として、(1) 2周波型GPS装置(http://www.javad.com)の検討と導入 (2) プライベートクラウド環境の構築 (3) 国際標準規格 WPS(Web Processing Service)規格に準拠した処理の実装が行えるZOO(http://www.zoo-project.org )をプライベートクラウド上に実装 (4) 準天頂衛星システム(QZSS)対応でGPSの生データを扱える低コストGPSの導入について検討を行った。 今年度の補助金は、主に(1)の装置の購入費に当てられた。装置はプロ仕様のため、装置の詳細な使用方法等について業者により説明会が行われた。(2)については、複数のクラウド基盤ソフトウェアを比較検討した結果、多くの実績とコミュニティの活動が活発なOpenStack(http://www.openstack.org )を採用し、プライベートクラウドの導入を行った。(3)については、標準規格に準拠したWebサービスを(2)で構築したプライベートクラウド上の複数の仮想マシンに構築した。Webサービスの負荷分散設定を行い、膨大なアクセス時でも高いパフォーマンスを確認した。また、(2)(3)について、国際カンファレンスでの発表、国際雑誌にて論文の掲載が確定した。(4)について、検討していたQZSS対応の低コストGPS(u-blox社 GPS)だけでなく、他社の低コストGPSも検討し、データフォーマット等の確認を行った。また、オープンソース測位ソフトウェア goGPS(http://www.gogps-project.org) のQZSS対応は、研究協力者と開発を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた内容として、2周波型GPSの機種の検討と購入、複数のクラウド基盤ソフトウェアの比較検討と、プライベートクラウドの構築、そのクラウド上でのWPS規格Webサービスの実装を行った。 測位ソフトウェアのQZSS対応後の精度実験など、初年度に計画していた内容を一部実行できなかったが、次年度に計画していた内容を前倒しができた部分(プライベートクラウド環境下のWebサービスの負荷分散設定とその性能実験)を考えると、計画はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、QZSS対応の低コストGPSを購入し、QZSSデータへのgoGPS Java版の対応についての開発と、初年度に行えなかった精度実験を進める。所属機関の変更に伴い、所属研究科の研究グループの支援が得られるため、いくつかの地点(大阪、京都)で精度実験を行う予定である。また、測位処理を提供するWebサービスを、同時かつ大量アクセス・データ処理に対応できるよう、グリッド環境を構築する。さらに、グリッドの導入についての有効性を確認するために、性能実験を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究は主にシステム開発と実験を行う予定であるため、次年度の研究費は、システム開発用ソフトウェア、低コストGPS装置、そして実験用サーバ機や開発用ノートPC等の購入費に当てる予定である。また、研究打ち合わせのため、研究協力者の所属している京都大学への出張費や、同様の研究を行っている会津大学へ出張費に使用する予定である。
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