人は文章を理解するとき,入力された個々の単語ごとの意味や役割を把握し文全体の単語をつなげ,その意味を理解する.さらに文章を理解する過程では心的表象として「状況モデル」を構築するとされる.会話理解の場合も同様,相手の発言を様々なレベルで理解し,状況モデルを構築していると考える.これまでの研究で音韻や語彙,文の理解の解明は進んでいるが,会話における状況の理解はいまだ進んでいない.会話では相手が言った言葉を受けて,自らが発言し話が進んでいくため,文章や物語を読むときと異なる仕組みがあると考えられる.本研究では,会話の状況を理解する理論モデルを検討し神経的基盤を脳活動計測より探った.
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