研究課題/領域番号 |
24700125
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
水野 統太 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00337875)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / マルチモーダル / 多感覚情報提示 |
研究概要 |
本研究は、多感覚情報ディスプレイの開発と効果的な情報提示条件の検討を目的としている。具体的には、視覚や力覚、触覚を同時に情報提示できるディスプレイを開発し、感覚間の知覚特性について検討し、効果的な情報提示条件を研究している。 本年度は、以下の2点を実行した。 (1)視覚・力覚・触覚の3感覚に対して同時に情報提示できるディスプレイの開発:表面にLCD、裏面に錘とサーボモータ、把持部には振動子が取り付けられた機構の多感覚情報ディスプレイを製作した。また研究開発は、プログラミング言語(Microsoft Visual C++)を使用した。 (2)力覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性:力覚と触覚へ同時に情報を提示することにより、力覚知覚にどのような変化が表れるか調べた。また、錘の重さや振動強度のパラメータを変更し、相互作用が生起しやすい適切な移動速度や強度を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視覚・力覚・触覚の3感覚に対して同時に情報提示できるディスプレイの開発が順調に進み、力覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性実験までおおむね順調に進展することができた。また、本ディスプレイにおいても、視覚・力覚への情報提示において、LCDに表示される物体の形や色、大きさ等の視覚情報を変化させると感覚間の相互作用の度合いが変化し、搭載している錘の重さは変わらないにもかかわらず、力覚が変化するという可能性も見られた。しかし、LCDに表示される物体の形や色、大きさのパラメータがまだまだ少ないので、パラメータを増やし力覚知覚の変化を評価の必要があり、本年度の課題にもあげていた。 本研究の最重要課題として、 ・視覚・力覚への情報提示による感覚間の知覚特性 ・視覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性 ・視覚・力覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性 を挙げており、本年度は力覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性についての評価を十分に行うことに力を注いぐため、こちらを優先させた。
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今後の研究の推進方策 |
視覚・力覚・触覚への情報提示による感覚間の知覚特性についての研究を行う予定である。 また、相互作用が生起しやすい各感覚への刺激について、臨場感が高くなるパラメータを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
開発するディスプレイは把持タイプであり、また、ディスプレイ全体の重量に対する錘の重量の比率が大きいほど重心移動による力覚知覚が明瞭化される。 そのため、ディスプレイに使用する液晶ディスプレイやセンサ、モータを軽量のものを用いてきた。特に LCDは、ほとんどが重いガラスで出来ており、この大きさによってディスプレイの大きさとおもり以外の重量が決まるので実験を行いつつ相互作用の起こりやすいLCDの大きさを決定している。また、実験によって得られる感覚間の特性に適した仕様にディスプレイの随時改良を行う必要がある。
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