平成26年度の時点で,(1)周辺的な知見である「固有名詞抽出における領域適応」の論文を一報,(2)本質的な知見のうち,あたためてあった「単語ごとに適切な訓練事例を確信度とLOO-boundを利用して選択する手法(語義曖昧性解消の領域適応についての論文)を一報,(3)本質的な知見のうち,さらにいい結果を出そうとしている「用例ごとに適切な訓練事例を確信度だけを利用して選択する手法(語義曖昧性解消の領域適応についての論文)を一報,投稿する予定であった. 平成27年度には,このうち(1)の論文が国際会議RANLPにおいてアクセプトされたため,科研費で渡航費および登録料を支払った. (2)については投稿したが,通すことができなかったので,平成28年度に持ち越しとする予定である.この際,(3)の知見を生かして書き直しており,すでに投稿済みである.予定していた「訓練事例の最適化による語義曖昧性解消の領域適応」についての論文そのものは投稿中であるため,まだ論文にはなっていないが,予定していた実験から得られた知見を別のタスクに応用した副次的な論文や,科研費で購入したコーパス等を利用した論文を多数公表することができた.具体的には,四年間で43回の研究発表,17報の国際会議,6報のジャーナル論文の成果があり,特に,このうち平成27年度は11回の研究発表,6報の国際会議,1報のジャーナル論文の成果となった. さらに平成27年度には,語義曖昧性解消の領域適応に分散表現を利用する手法について研究を行い,成果が出たため,言語処理学会の年次大会で発表を行った.平成28年度に追加実験を行ったうえで,国際会議に投稿を予定している.
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