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2012 年度 実施状況報告書

画像記述子補間に基づいた大規模空間におけるローカリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 24700161
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

鳥居 秋彦  東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20585179)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードコンピュータビジョン / 位置同定 / シーン認識
研究概要

本研究の目的は,位置姿勢情報付き画像データベースを用いて,探索範囲内で撮影された画像(カメラ)の3次元位置姿勢推定を行う,“ローカリゼーション”の研究を発展・実現することである.数十~数百kmといった広範囲探索を可能としつつ,位置姿勢情報を高速かつ高精度に推定するために,平成24年度は主に以下の研究を遂行した.
本研究では,Google Street Viewなどから得られる位置情報が付随したパノラマ画像をデータベースとして用いる.そのパノラマ画像に対して,位置情報の無い画像をクエリとした検索を行い,最も類似した画像の位置からクエリ画像の撮影位置を推定する問題を扱う.本提案研究の枠組みでは,クエリ画像はパノラマ画像でなく,一般的な透視投影画像を想定している.画像検索に基づくローカリゼーションの高精度化を検討するなかで,クエリ画像とデータベース画像間の画角の差と検索精度の関係を,十分に大規模な実画像パノラマデータベースを用いた実験を行い,比較検証した.この成果を通して,クエリの画角に十分近くなるように,データベースのパノラマ画像を切り出した上で,画像記述子を構成すると検索精度が向上することを確認した(パノラマカットアウトによる方法と呼ぶ).しかしながら,実利用において様々なクエリ画像の画角が存在することから,各画角に対応するデータベーズ画像記述子を用意するのはメモリ使用量の面で非効率的である.そこで,クエリ画像,パノラマ画像ともに同じ間隔で短冊状に分割表現した画像記述子を構築,効率良く検索を行うアルゴリズムを提案,性能評価を行った.この結果,提案したパノラマ画像分割表現に基づいた検索によるローカリゼーションは,メモリ効率の面で非常に優位でありつつ,クエリ画像の画角が広がるに連れて,検索精度の面でもパノラマカットアウト法に比べ,優位であることを実証した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年間の研究プロジェクト1年目として,検索アルゴリズム,データベースの構築,ローカリゼーションシステムの実装・実験を進めてきた.実応用に向けて重要な礎となる,クエリ画像とデータベース画像間の画角の差と検索精度の関係を網羅的に評価したことで,今後新たなアルゴリズムを提案する上での基盤は整ったといえる.これまでに行なってきた実験,性能評価をまとめた研究報告を,平成25年度5月に発表する.本申請研究を通して派生した研究に関しても,国際会議発表などを通して成果を発信している.さらに,本申請研究を遂行する中で,既存の検索アルゴリズムでは特に苦手とする,繰り返しパターン構造が非常に多く存在するシーンのローカリゼーション問題についても検討を行った.都市部におけるローカリゼーション問題では,高層ビル,マンションなどの繰り返しパターンが非常に多く存在することから,この問題への対策は実応用へ向けて非常に重要である.この問題に関する研究成果の一部は,本分野における最も競争的な国際会議に採択されている(平成25年6月発表).
また,研究協力者であるTomas Pajdla, Josef Sivicとは2週に1度程度でビデオ会議を行った.議論を重ねると同時に,研究成果の発信に関して協力を仰いでいる.
一方,研究当初のアイデアであった画像記述子の補間による高精度化については,現在も検証中であるため,(2)おおむね順調に進展している,という自己評価とした.

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続き,アルゴリズムの実装・実験を行う.近年,特に物体認識分野の研究発展の速度は目覚ましく,様々な画像記述子,検索アルゴリズムが提案されている.最先端の手法を取り入れつつ本研究の貢献を明確にするためには,様々な先行研究との比較が重要である.この作業は非常に煩雑かつ多大な労力を要するため,出来る限りシステマティックに実験評価を行うためのパイプライン構築を試みる.すでに掲載予定の発表に関してはプロジェクトページを用意して,成果の発信に努めると同時に,公開配布用プログラムの準備にも取り掛かる.さらに,提案研究の完成度を高めるために,SfMベースのローカリゼーション手法との比較を行う.提案するローカリゼーション手法は,非常に高速であるが,補間による近似解である.SfMによる計測結果との公平な効率・精度に関する比較検証を行うことで,その実応用性を測る.
本研究は大規模データ処理を伴うコンピュータビジョンの研究であるため,昨年に引き続き,必要に応じて,大規模データ実験用機材として,ワークステーションおよび各種数値計算ソフトを整える予定である.また,一年に数回の国内外の国際会議に参加し,最新情報を収集するとともに,国際的な研究成果の発信を図る.さらに,研究協力者との議論はビデオ会議を通して行なっているものの,より深く議論を行うためにも,数回の訪問,招聘を予定している.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Visual Place Recognition with Repetitive Structures2013

    • 著者名/発表者名
      Akihiko Torii, Josef Sivic, Tomas Pajdla, Masatoshi Okutomi
    • 学会等名
      Proceedings of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR2013)
    • 発表場所
      Portland, Oregon, USA
    • 年月日
      20130625-20130627
  • [学会発表] BoFの分割表現を用いた画像検索による自己位置・方位推定2013

    • 著者名/発表者名
      董亜飛, 鳥居秋彦, 奥富正敏
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告(コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM))
    • 発表場所
      東京,日本
    • 年月日
      20130530-20130531

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公開日: 2014-07-24  

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