本研究の目的は,位置姿勢情報付き画像データベースを用いて,探索範囲内で撮影された画像(カメラ)の3次元位置姿勢推定を行う,“ビジュアルローカリゼーション”の研究を発展・実現することである.数十から数百kmといった広範囲探索を可能としつつ,位置姿勢情報を高速かつ高精度に推定するために,平成26年度は主に以下の研究を遂行した.
本研究では,Google Street Viewなどから得られる位置情報が付随したパノラマ画像をデータベースとして用いる.そのパノラマ画像に対して,位置情報の無い画像をクエリとした検索を行い,最も類似した画像の位置を割り当てることで,クエリ画像の撮影位置を推定する.前年度に引き続き,提案手法であるパノラマ画像分割表現に基づいた検索によるローカリゼーションアルゴリズムの性能評価を行った.より実用に近い形での評価を行うために,スマートフォンのパノラマ撮影機能を利用して撮影した新しいビジュアルローカリゼーション用のデータセットを作成した.そのデータセットを用いた場合でも,メモリ効率の面で非常に優位でありつつ,クエリ画像の画角が広がるに連れて,検索精度の面でも既存手法に比べ,優位であることを確認した.それらの成果をまとめ,CVA論文誌に発表した.
また,本研究を推進するなかで派生課題のひとつである,ビルの窓やフェンス等の繰り返しパターンからの影響を軽減しつつ画像検索を行うアルゴリズムを提案し,その成果をまとめた.本分野において最も権威のある論文誌PAMIに採択され,掲載予定である.
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