研究課題/領域番号 |
24700162
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 桂太 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30447437)
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キーワード | 画像情報処理 / 自由視点映像 |
研究概要 |
本研究は,ユーザが対象を観察する視点位置を自由にコントロールできる自由視点カメラ技術の基礎の確立を目指すものである.ハードウェア技術からのアプローチとして,カメラを移動機構に搭載して位置を制御することが考えられるが,それだけでは視点移動の自由度や柔軟性が極めて限定される.そこで本研究では,ソフトウェア技術からのアプローチとして,多眼カメラ画像の補間に基づく自由視点映像生成技術を組み合わせることを提案する. 平成24年度においては,研究代表者がこれまでに構築したリアルタイム自由視点画像生成技術を基盤に,多眼カメラが時々刻々と移動する条件下で自由視点映像を生成する技術を確立した.平成25年度には,平成24年度に確立した技術を,移動機構に搭載した多眼カメラに適用し,ハードウェアとソフトウェア技術を融合した自由視点カメラの基礎を構築した.移動機構としては,計算機から制御可能なX軸ステージを用いた.自由視点映像生成における視点位置に応じて、Xステージに制御命令を発行し,多眼カメラの移動を実現すると同時に,多眼カメラの移動中にも観察視点の一貫性を保つための仕組みを実現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標の通り,移動機構(X軸ステージ)と多眼カメラを組み合わせ,観察視点の移動に対してハードウェアとソフトウェアの両面から対応する基礎的な仕組みを実現できた.具体的な制御方式は以下のようになる.多眼カメラは,空間を満たす光線を切り取る「窓」に相当する.ユーザの観察視点が「窓」の端に寄って来た場合には,Xステージに命令を送り,観察視点が「窓」の中央付近に来るように多眼カメラを移動することにより,ユーザの観察視点からの映像を生成できるようにする.本研究ではさらに,光線空間において上記の仕組みを理論的に説明可能であることを明らかにした.現状の実験では,X軸ステージのハードウェア性能の制約から,必ずしも理想的な動作特性が得られていないが,この技術分野における課題を明確にすることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には,これまでの2年度の検討を発展させ,ソフトウェアとハードウェアのより高度な融合に取り組む.移動機構の制御には,必然的に応答遅延や速度の揺らぎが発生するが,これらの要因が,ユーザの観察する自由視点映像に及ぼす悪影響を出来る限り抑制したい.そこで,観察される映像が不必要に揺らいだり,不連続に飛んだりしないようにするために,ハードウェアの性能限界を充分に考慮しつつ,滑らかな視点移動を実現する技術の開発に取り組む.また,上記のような制御方式を,光線空間理論の枠組みで記述し最適化するための理論を整理し,さらに自由度の高い制御機構を用いた場合の議論へと結び付けたい.
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