研究課題/領域番号 |
24700176
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 大輔 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30532957)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コンピュータビジョン / 三次元形状計測 / 偏光解析 / 透明物体 / 金属 / 黒色物体 / 法線推定 |
研究実績の概要 |
本研究課題は黒色物体,金属,透明物体の三次元形状を最終目標としている.本年度の実績の一つとして,透明物体の三次元形状計測を実現する技術を開発した点が挙げられる.物体を熱して,物体そのものが発する熱放射光を遠赤外線カメラで観測することで形状を計測する.計算には視体積交差法を用いる.その成果を国内会議MIRU2014で発表した. さらにその研究を発展させ,金属の三次元形状計測を実現する技術も開発した.物体を熱して,物体そのものが発する熱放射光を遠赤外線カメラで観測する.その際,遠赤外線偏光板をカメラの前に配置して物体を観測することにより,物体表面から発する熱放射光の偏光状態を取得することができる.その偏光状態から物体表面の形状に関する情報が得られる.物体を複数方向から観測して得られた偏光状態を統合し,形状を計算する手法を開発した.今後はこの成果を外部に発表する予定である. また,透明物体の三次元形状計測を実現する新たな技術も開発した.物体の周囲を複数の方向からLEDパネルで照射する.物体表面で反射した光の偏光状態は,その形状に応じて変化する.それを偏光カメラで観測し,偏光状態から形状を計算する手法を開発した.今後はその成果を外部に発表する予定である. 偏光状態などのように光学情報を解析する際,カメラが正確なエネルギー量を取得できなければならない.しかし,市販されている一般向けのデジカメは受光輝度を内部で変化させてから画像として記録している.その輝度変化が分からなければ,市販のデジカメを計測に利用することはできない.そこで,その輝度変化をガンマ特性で表現し,そのガンマ特性を計測する技術を開発した.今後はその成果を外部に発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は黒色物体,金属,透明物体の三次元形状を最終目標としている. 本年度は,物体そのものが発する熱放射光を遠赤外線カメラで観測することで,透明物体の三次元形状計測を実現する技術を開発した.その成果を国内会議MIRU2014で発表しており,順調に本研究課題が進展している. 物体表面から発する熱放射光の偏光状態を取得して,金属の三次元形状計測を実現する技術も開発した.今後,この成果を外部に発表する準備が整っており,順調に本研究課題が進展している. 複数の方向からLEDパネルで照射して反射した光の偏光状態を偏光カメラで観測し,透明物体の三次元形状計測を実現する新たな技術も開発した.今後,この成果を外部に発表する準備が整っており,順調に本研究課題が進展している. カメラが正確なエネルギー量を取得できるようにするため,カメラのガンマ特性を計測する技術を開発した.今後,この成果を外部に発表する準備が整っており,順調に本研究課題が進展している.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は最終的にあらゆる材質の物体の三次元形状を取得することを目的としている.物体表面から発する熱放射光の偏光状態を取得して,金属の三次元形状計測を実現する技術も開発した.その成果を国内会議MIRU2015に投稿する. 複数の方向からLEDパネルで照射して反射した光の偏光状態を偏光カメラで観測し,透明物体の三次元形状計測を実現する新たな技術も開発した.その成果を英文論文誌IET-CVに投稿する. 照度差ステレオ法と三次元レーザ距離計測装置を組み合わせることで,彩色不透明物体の三次元形状を計測する技術を開発した.その成果を英文論文誌CVAに投稿する. 複数方向から物体の偏光状態を取得して,黒色鏡面物体の三次元形状を計測する技術を開発した.その成果を英文論文誌IMAVISに投稿する. 物体表面から発する熱放射光の偏光状態を取得して,金属の三次元形状計測を実現する技術も開発した.今後は,凹形状も計測できるように改善する.そのために,物体形状と偏光度の対応関係が分かっていなければならない.得られた物体形状のうち,正しい形状であることが確定している点だけを選択する手法を開発する.正しい形状と観測偏光度との対応関係を利用し,正しくない部分にも適用することで,物体全体において正しい形状を計測できるようにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はソフトウェア開発を中心とし,当初予定より機材購入の必要性が低かったため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究によって得られたソフトウェアの実用化を外注するためのソフトウェア開発費として1100千円を使用する.
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