研究課題/領域番号 |
24700178
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
堀田 一弘 名城大学, 理工学部, 准教授 (40345426)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 適応的認識法 |
研究概要 |
単なる画像中の対象の識別は高精度に行うことができるようになってきた。しかし、画像の内容や意味のような高次の認識課題となると今の方法ではあまり高い精度が得られない。これは、何か新しい認識の枠組みが必要であることを示唆している。本研究課題では、新しい枠組みとして、適応的な認識法を考える。 これまで提案された方法の多くは、事前の学習に基づくものである。つまり、事前にラベル付けされたサンプルが多数あり、それらを基に識別器や予測器を作成し、テストの際にはそれを変えずに利用していた。ここでは、入力されたテスト画像の情報に基づいて適応的に情報を選択したり、様々な情報を統合するための重みを変えたりする。これは事前の学習では決まらず、状況に応じた適応的な処理が必要である。入力された情報を基に類似度を求め、それを基に重み空間での確率分布を考え、今の状況で有効な重みをフィードバックして利用する。対象の追跡や識別において手法の有効性を確認している。 また、適応的な認識法を適用先として静止画像のラべリングや識別、動画像の識別を考えている。そこで、まず1年目である本年度は画像ラべリングの基礎となる方法について研究を行った。ここでは、局所特徴を基に画像中の各画素の尤度を求める。また、大局的な特徴量を基に画像に含まれる対象の確率も求める。これらを統合して最終的な各ラベルの確率を求めた。次年度はここに適応的な方法を適用する予定である。さらに、動画像識別に基礎として、特徴抽出のためのマスクパターンの自動生成を行った。まずはクラスタリングにより多めにパターンを作成し、そこから識別に有効なパターンを選択することにより精度が向上することを確認した。今後はこれを状況に応じて行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
適応的な認識法の研究を推進した。また、静止画像のラべリングおよび動画像の認識法の基礎を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
静止画像および動画像の認識課題において適応的な認識法の有効性を実証していく。また、適応的な認識法の改良も行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は前年度の研究を発展させ、国内外の会議で発表する予定である。従って、旅費や参加費に利用する。また、英文校閲にも利用予定である。さらに、論文誌への投稿も行う予定であり、採録されれば投稿料等も必要となる。
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